アメリカ合衆国における新たな投資ビザ制度「ゴールドカード」の導入が発表されました。このビザ制度は、海外の富裕層に対し、500万ドル(約7億円)の投資を通じて永住権を付与し、さらに市民権への道を開くことを目的としています。このプログラムは、世界で最も高価なレジデンシーの1つになると専門家は指摘しています。
「ゴールドカードビザプログラムの導入は、アメリカへの居住を確保し、市民権への道を求める高資産者にとってユニークな機会を提供します」と、Henley & Partnersのプライベートクライアント部門責任者であるドミニク・ボレック氏は述べています。「アメリカは、プライベートウェルスの創出と蓄積において、疑いのないリーダーです。」
専門家たちの中には既にこのゴールドカードへの需要が非常に強まっていると述べる者もいます。Henleyの予測によれば、2025年には約135,000人の富裕層が新たな国に移住することが見込まれています。特にアメリカやUAEがその候補先として上位に挙げられます。トランプ氏は、このプログラムが非常に魅力的であると語っており、「販売ペースは非常に早いだろう」と期待を寄せています。
このゴールドカードの提案は、現在の富裕層のアメリカにおける居住形態を根本的に変えることになるでしょう。現在、アメリカ市民や永住者、グリーンカード所有者は、アメリカ国内外の収入について所得税を支払う義務がありますが、ゴールドカード保持者は海外からの収入に対して税が課されない可能性があります。この特典は、アメリカ市民には与えられない利益となるため、税制の二重構造を生む懸念もあります。
この新しいビザプログラムは、現行のEB-5プログラムを置き換える形で導入される見込みで、EB-5プログラムは900,000ドルまたは1,800,000ドルの投資を求めているため、ゴールドカードはその数倍の高額となることが予想されます。この新制度の提案には、様々な要因が絡む複雑な税制が影響しており、富裕層にとっては大きな変化がもたらされるかもしれません。
アメリカは過去においてもEB-5ビザの発行主要国として中国、台湾、ベトナム、インドが挙げられ、昨年は12,000件以上のEB-5ビザが発行され、その2/3が中国国籍の申請者によるものでした。トランプ氏は、この新制度を通じて数十万枚のゴールドカードが売れると予測していますが、移民弁護士はその需要は数千件に留まると見ています。
このように、ゴールドカード制度はアメリカにおけるビザ制度の見直しと同時に、高資産者の生涯計画に大きな影響を与える可能性を秘めています。特に、IT企業を含む企業が、優秀な大学卒業生を呼び込むための手段として、この制度を利用することが期待されています。



