ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、モスクワで行われた独立国家共同体(CIS)首脳会議中に、クレムリンの報道官ドミトリー・ペスコフとの間で会話を交わしました。ロシア政府は、米国との関係改善について慎重な姿勢を見せており、関係修復には長い道のりがあると強調しています。
クレムリンの報道官であるドミトリー・ペスコフは、二国間の関係が深刻な危機から抜け出す過程が始まったことを肯定的に評価しつつも、依然としてその旅の初めにすぎないと述べました。以前のワシントン政権が関係を悪化させたことは明白であり、元の状態に戻すには多くの作業が必要であるとの見解を示しました。
ロシアとアメリカの関係は、バイデン政権の4年間に緊張が高まり、特に2022年のウクライナへの全面的な侵攻により、米国主導の国際制裁が課されました。しかし、最近、ドナルド・トランプ氏がホワイトハウスに復帰したことで、関係の流れが変わり、久しぶりに高官間の対話が行われました。これにより、ウクライナ和平のための基盤を築くことが期待されています。
プーチン大統領は、アメリカの代表団を称賛し、会談の内容を高く評価しました。しかし、彼は、ホワイトハウスの指導者がウクライナの状況を改善し、国家の生存条件を整えることを望んでいると考えており、これはロシアにとって必ずしも有益ではないとの見解を示しています。ロシア外務省は、今週中にロシアと米国の二回目の会談が行われることを発表しました。ラブロフ外相も同様の感情を表明し、ロシアにとって受け入れ可能な合意が得られるまで戦争は終了しないと強調しました。
背景には、ロシアと米国がより明確に一致した姿勢を見せ、国連安全保障理事会がロシアのウクライナ侵攻からの三周年に合わせて米国主導の中立的な決議を採択したことがあります。この決議は、ロシアと中国の支持を得て可決され、戦争の早期終結と持続可能な平和の実現を求めています。サポートを得られなかった欧州の常任理事国は棄権し、米国の決議は可決されました。
アメリカの国連代表がこの決議の採択を称賛し、ロシアも決議内容について前向きな見解を示しています。ロシアの国連大使は、今回の票決を経て、アメリカの姿勢に「建設的な変化」があったと評価しました。これらの動きは、今後のウクライナ危機の平和的解決に向けた新たな出発点となることが期待されています。



