スーパーマイクロコンピュータ(Super Micro Computer Inc.)は、2024年6月30日時点での財務状況を示す監査済み財務報告書を米国証券取引委員会(SEC)に提出しました。この提出により、ナスダック(Nasdaq)での上場基準を遵守したことが確認され、株価は時間外取引で22%の上昇を見せました。
監査法人BDOは、提出された財務諸表が「米国の一般に認められた会計原則に準拠しており、すべての重要な点で公正に表示されている」と述べています。これにより、スーパーマイクロが近い将来にナスダックから上場廃止される可能性が低くなり、長らく株価に影を落としていた要因が解消されました。
管理側からの付記によると、スーパーマイクロは財務報告における内部統制に関して重要な欠陥を特定しており、ITの問題や手動の仕訳記録に関する文書化の不足、職務分掌に関する不十分な管理が含まれています。これを受け、同社は追加の会計及び監査担当者を雇用し、ITシステムのアップグレードを進めることを表明しています。
昨年、スーパーマイクロは年次報告書の提出を遅延したことで監査人であるアーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young)を失い、その理由としてガバナンス上の問題が挙げられました。これにより、同社は迅速に監査済み財務情報を提出する必要がありました。
また、スーパーマイクロは、特別委員会がアーンスト・アンド・ヤングの辞任について「調査した事実に基づいておらず、根拠がない」と判断したことも報告しています。以前には、同社の調査が「不正行為の証拠を見つけていない」と確認しており、旧最高財務責任者(CFO)のデビッド・ワイガンド(David Weigand)が解任されていますが、後任のCFOは未だに決まっていません。
とはいえ、同社はNvidia社のグラフィック処理ユニット(GPU)に対する高まる需要のおかげで急速に成長しており、NvidiaのGPUを基にしたシステムを構築しています。エロン・マスクのxAIも顧客の一つです。最近の監査済み財務報告によれば、スーパーマイクロの2024年度の売上高は149.9億ドルを超え、前年の2倍以上に達しました。
しかしながら、同社は遅延した財務報告に伴うリスク、訴訟や評判の損失、さらには信用格付けの低下の可能性を依然として抱えています。今年に入ってからは株価が急回復しており、2023年の厳しい9か月を経て、2025年の初めに入ってすでに52%の上昇を記録しています。



