アメリカの小売業界を代表するメイシーズ(Macy’s ),そのフラッグシップ店舗があるニューヨークのハーウッド・スクエアで、2021年12月23日においても市場動向が注目を集めています。本記事では、メイシーズが最近報告した第4四半期の複雑な業績に焦点を当て、CEOトニー・スプリング(Tony Spring)がどのようにしてビジネスの立て直しを図っているのかを分析します。
メイシーズは、そのメイシーズブランド、ブルーミングデールズ(Bloomingdale’s)、ブルー・マーキュリー(Blue Mercury)を含む事業全体で、ホリデーシーズンの重要な四半期において前年同期比1.1%の売上減少を記録しました。しかし、所有しているビジネスとライセンス事業、さらにオンラインマーケットプレイスを含む比較可能な売上は0.2%増加しており、これは2022年第1四半期以来の最高値となっています。
特に、メイシーズのターンアラウンドプランの一環としてリソースを重点的に投入している「ファースト50」の店舗では、比較売上が0.8%の増加を記録し、これにより4四半期連続でプラスの成長を示しています。
これらの明るい兆しは、メイシーズの回復への期待が高まる一方で、想定以上に時間がかかる可能性を示唆しています。2025年度には、調整後の1株当たり利益が2.05ドルから2.25ドルになると見込まれ、売上は210億ドルから214億ドルになると予想されていますが、ウォール街の予想よりも低い水準です。
最新の四半期において、メイシーズの1株当たり利益は調整後1.80ドルで、予想を上回った一方、総収入は77.7億ドルで、予測を下回りました。また、報告された純利益は3.42億ドルで、前年の損失と比較して改善が見られます。
CEOスプリングの就任から1年以上が経つ中で、ブルーミングデールズとブルー・マーキュリーは堅調な成長を維持していますが、メイシーズ本体は1.9%の売上減少に苦しんでいます。これに対処するため、スプリングは150店舗の閉鎖を含む攻撃的な店舗閉鎖計画を実施しています。この計画は、メイシーズが長年抱えていた問題を解決するための一環ですが、依然として多くの課題が残っています。
スプリングは、より効果的なスタッフ配置や商品陳列に投資することで、50の店舗での業績改善を目指しています。これにより、メイシーズは店舗数を350店舗に減少させる計画であり、この戦略が他店舗にも拡大される見込みです。
12月にはアクティビスト投資家のバリンティン・キャピタル(Barington Capital)がメイシーズの持ち分を取得し、コスト削減やラグジュアリーブランドの売却、リアルエステートポートフォリオの精査を求めていることも留意する必要があります。
メイシーズは木曜日に、残された14億ドルの自社株買戻し認可のもとでの株価買戻しを再開する意向を表明しました。 COO兼CFOのエイドリアン・ミッチェル(Adrian Mitchell)は、顧客体験を向上させ、運営の卓越性を確保し、慎重な資本投資を続ける意向を示しています。これにより、健全な自由現金流を提供し、株主への価値還元を進めていく考えです。



