アメリカのウイスキー「Jack Daniel’s」(ジャック・ダニエル)の販売がイリノイ州シカゴの酒屋で行われている様子が最近報告されました。その中で、製造元のブラウン・フォーマン(Brown-Forman)の株価が大幅に下落したことが注目されています。具体的には、同社は四半期の収益がアナリストの予想を下回ったことを発表し、この影響を多くの要因、特に関税や酒類に対する消費者の可処分支出の減少の結果として挙げています。
ブラウン・フォーマンのCEOであるローソン・ホワイト(Lawson Whiting)氏は、今回の結果が同社の長期的な成長期待に達しなかったものの、厳しいマクロ経済環境の中で重要な進展を遂げたと述べています。
2025年度の第4四半期における同社の実績は以下の通りです。
– 1株当たり利益: 31セント(予想34セント)
– 売上高: 8億9400万ドル(予想9億6740万ドル)
売上高は前年同期比で7%減少し、ネットインカムは1億4600万ドル、1株あたり31セント、前年の2億6600万ドル、56セントから45%減少しました。ウイスキー製品である「Jack Daniel’s」および「Woodford Reserve」の純売上高は2025年度に前年並みでしたが、テキーラおよび準備済み飲料のポートフォリオはそれぞれ14%と6%の減少を記録しました。
2026年度には、同社はオーガニックの純売上高とオーガニック運営利益の両方で、1桁台の減少を予想しています。
同社は、マクロ経済的および地政学的なボラティリティにより、消費者の不安や未知の関税の影響、使用済み樽のブランド外販売の減少などの逆風に直面するため、2026年度の運営環境が厳しいと予測しています。
ブラウン・フォーマンは、関税の影響を測定することはできないとしていますが、バークシャーのアナリストは、EUに輸出されるアメリカのウイスキーに50%の関税がかかる場合、ブラウン・フォーマンの利息および税金前利益(EBIT)が10%減少すると予想しています。
また、景気後退環境下では、蒸留業者は通常、醸造業者よりもパフォーマンスが低下するため、ブラウン・フォーマンはコンステレーション・ブランズ(Constellation Brands)、モルソン・クアーズ(Molson Coors)、アムステルダム・バス(Anheuser-Busch)といった飲料業界の同業他社に比べ、脆弱性が増すことが指摘されています。
最近では、カナダの酒屋がトランプ大統領の関税に応じて「Jack Daniel’s」製品や他のアメリカ製品を撤去する動きが広がっています。ウィティング氏はこの撤去を「関税以上の悪影響」と表現しています。さらに、今週、トランプ政権は鉄鋼およびアルミニウムの輸入関税を50%に倍増し、ブラウン・フォーマンや広範なセクターの缶の準備済み飲料製品にも影響を及ぼしています。



