NVIDIAは中国市場向けに、RTX 5090 DDという専用グラフィックカードを発表します。この製品は、アメリカ政府の高性能チップ輸出に関する最新の規制に適合するため、仕様が大幅に調整されています。RTX 5090 DDは、メモリ容量が低く、GPUコアの構成も大幅に削減されており、全体的な性能は控えめで、RTX 5090シリーズの中で最も弱いモデルとなっています。
このグラフィックカードは、代号GB202-240のGPUチップを搭載しており、RTX 5090 Dをベースにさらにスペックを抑えたモデルです。本カードは新設計のPG145 SKU 40基板を使用しており、CUDAコア数はRTX 5090 Dの21,760個から14,080個に減少し、減少率は35%に達しています。また、ビデオメモリの容量も32GBから24GBに縮小され、バス幅も512ビットから384ビットに減少しました。もしビデオメモリの速度が変わらなければ、ビデオメモリの帯域幅は1,344GB/sに低下することになります。
RTX 5090 DDは、画像処理やAI計算能力においていくつかの妥協が見られるものの、全体的なスペックはRTX 5080の10752個のCUDAコアと16GBのVRAMを上回っています。また、AI計算性能は2375 AI TOPSに制限されており、全体の消費電力は約500Wと推定されています。ゲーム性能については、RTX 5090 Dよりも20%から30%の削減が予想されています。
アメリカが中国への高性能チップの輸出規制を厳しくしているため、NVIDIAはRTX 5090 Dのメモリ容量が大きすぎることから販売禁止に直面しました。そのため、すでに納品されたチップを除き、残りの注文はすべてキャンセルされました。これを受けて、RTX 5090 DDはRTX 5090 Dの市場の空白を埋める補完モデルとして登場する見込みです。
RTX 5090 DDの技術仕様はRTX 5090 Dと明らかに異なりますが、市場は依然としてNVIDIAがどのように価格を設定するかに注目しています。分析サイトWccftechの予測によれば、このグラフィックカードの価格は1500ドル(約HK$11,700)に引き下げられる可能性がありますが、最終的な価格設定や市場の反応はまだ観察する必要があります。



