2025年7月8日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と妻ブリジット・マクロンの公式訪問が予定されている中、ロンドンのザ・マルではユニオンジャックとフランス国旗が飾られています。今回の訪問は、華やかさと政治的なパフォーマンスが融合する3日間の行事となる見込みです。
マクロン氏夫妻は、キャメロン国王とカミラ王妃による晩餐会のもと、イギリスのビジネスリーダーおよびキール・スターマー首相との会談を行う予定です。今回の会談では、移民、貿易、防衛および安全保障といった「共通の優先課題」に焦点が当たると、イギリス政府は述べています。
一方で、アメリカのドナルド・トランプ大統領による急な関税の見直しの脅威は、訪問の華やかさを影に潜ませる要因となっています。トランプ氏は、来月から14か国、特に日本や韓国、南アフリカに対して貿易関税が上昇するという「手紙」を発表しました。元々7月9日が期限だったこの関税引き上げの期限は延長され、今後も他の国に対する手紙が送付される予定であるとホワイトハウスの報道官が語っています。
ヨーロッパ連合(EU)はトランプ政権との貿易契約を急ピッチでまとめようとしていますが、その内容が果たしてブリュッセルにとって利益となるのか、依然として不透明な状況です。ベレンベルク銀行のチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は、米国が現在の10%の基本関税に対して交渉を行わないことを受け入れたと指摘し、航空機やその部品に関しては免除を求めていると述べています。
このような中、イギリスはマクロン大統領の訪問に向けて華やかな準備を進めており、訪問初日にはウェールズのウィリアム王子とケイト妃が出迎え、キャリッジの行進に参加するとされています。晩餐会でキャメロン国王が、イギリスとフランスが直面している「複数の方向からの複雑な脅威」について言及する見込みです。
加えて、マクロン氏は訪問中にロンドンで議員への演説を行い、ビジネスリーダーとの会合や、スターマー首相とのフランス・イギリスサミットを予定しています。これは、2020年にEUを離脱して以来、EUの指導者がイギリスを訪問する初の機会であり、両国の関係の幅広さを示す歴史的な機会と位置づけられています。スターマー首相は、トランプ氏との関係を深めている様子で、貿易交渉においてマクロン氏が成功するための示唆を与えることが期待されています。



