JPMorgan Chase & Co.は、フィンテック業界における仲介業者に対して新たな手数料を課す計画を進めていると報じられています。これらの仲介業者は、伝統的な銀行口座と最新の金融アプリをつなぐ役割を担っていますが、JPMorganのシステムに対し不必要なデータ要求を送り続けているとのことです。
内部メモによれば、2024年6月には、1,890万件ものデータ要求がJPMorganのシステムに行われ、そのうち顧客による取引に起因するものはわずか13%であったことが明らかになっています。APIコールの大半は、フィンテック企業が製品を改善したり、詐欺を防ぐために用いるもので、また一部はデータを販売する目的であったとされています。
現在、JPMorganは、これらのデータ要求に対する新たな手数料を設定する準備を進めており、この動きがフィンテックエコシステムに混乱をもたらす可能性があります。数年前まで、APIへのアクセスは無料であったため、フィンテック企業は顧客に対し、手数料のかからない口座や取引サービスを提供できていました。
こうした動きが加速する背景には、Consumer Financial Protection Bureau(CFPB)が「オープンバンキング」規制の廃止を目指す訴訟を支援するための動きがあるとされます。この規制は、銀行が認可された第三者に対してデータを無料で提供することを求めるものでした。
JPMorganの最新のメモによると、APIコールの総数は過去2年間で2倍に増加し、仲介業者を介した電子送金の69%で詐欺請求の可能性が高まるなど、インフラ維持にかかるコストが上昇していると述べられています。
Plaidは、JPMorganの主張に対し、データアクセスの仕組みを誤解していると反論しており、顧客がフィンテック企業にアカウントの開設時に許可を与えることが基本であると説明しています。加えて、顧客のニーズに応えるため、データアクセスが増加していると述べており、フィンテックと金融機関、両者にとってデータ共有エコシステムが機能することが重要であると主張しています。
JPMorganの提案した手数料スケジュールによると、Plaidは新たに年間3億ドルの手数料を支払う可能性があるとされています。もし裁判所が「オープンバンキング」規制を廃止した場合、仲介業者はどれだけの料金を支払わなければならないか、その金額が焦点となります。双方は新たな現実に向けての合意に達するための生産的な交渉を進めているとの情報もあります。



