アメリカ連邦準備制度理事会(Federal Reserve)の理事アドリアナ・クーグラー(Adriana Kugler)が、2025年6月5日にニューヨーク市の経済クラブ(Economic Club of New York)で講演を行いました。この度、クーグラー理事は連邦準備制度からの辞任を発表し、これはトランプ大統領が利下げを求めている重要な時期における重要な空席を生むことになります。
クーグラー氏(55)はトランプ大統領宛ての手紙の中で辞任の理由を明らかにせず、秋学期からジョージタウン大学に教授として戻ることを告げました。
「連邦準備制度理事会での職務を果たせたことは、一生の栄誉でした」とクーグラー氏は述べています。「特に、物価を引き下げ、強靭な労働市場を維持するという二重の命令を達成する重要な時期に奉仕できたことを光栄に思います。」
クーグラー氏の任期は2026年1月末に満了する予定でしたが、彼女は2023年9月にバイデン大統領の指名で理事会に加わり、ラエル・ブレイナード(Lael Brainard)の未満期の任期を引き継いでいました。理事として、クーグラー氏は金利設定を行う連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)の常任投票者でした。彼女の辞任により、トランプ大統領が新たな候補者を指名する道が開かれることになります。
トランプ大統領が指名した過去の理事二人、クリストファー・ウォラー(Christopher Waller)とミッシェル・ボウマン(Michelle Bowman)は、連邦準備制度の政策金利を据え置くという水曜日の会議での意見に対して反対票を投じており、金利の引き下げを望んでいました。クーグラー氏はこの投票に不在でした。
最近、クーグラー氏は一般的にタカ派的な見解を示し、トランプ大統領の関税がインフレに対して与える影響が明確になるまで金利を維持すべきだと支持を表明していました。
連邦準備制度のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は、クーグラー氏に対して「彼女は理事会での仕事において印象的な経験と学術的な洞察をもたらしました」と述べ、感謝の意を表しました。



