2025年5月3日、オマハ(ネブラスカ州)で開催されたバークシャー・ハサウェイの年次株主総会で、著名な投資家ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)が発言しました。バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)は、運営利益がわずかに減少したことを報告し、株式の売却を続ける一方で、自社株買いを一時停止しました。
オマハを拠点とする同社は、保険および鉄道関連の事業を含む運営利益が前年同期比で4%減少し、2025年第2四半期の運営利益は111.6億ドルに達しました。鉄道、エネルギー、製造業、サービス、流通などの部門では前年よりも高い利益を計上しましたが、保険の引受業務の減少が全体の結果を引き下げる要因となりました。
バークシャーのClass AおよびB株は、結果発表後にプレマーケット取引で約1%下落しました。株価は、94歳のバフェットが2025年末にグレッグ・エイベル(Greg Abel)がCEOに就任することを発表する直前の5月初旬の過去最高値から約12%下落しています。
注目すべきは、バークシャーが過去最初の大きな減損を記録したクラフト・ハインツ(Kraft Heinz)への出資です。バークシャーは27%の持ち株に対して38億ドルの損失を計上しました。この動きが報じられた際、消費財大手が自社の食品事業のスピンオフを検討しているという情報も浮上しました。5月にバークシャーの2人の役員がクラフト・ハインツの取締役会から辞任しました。
「この投資は長い間、バークシャーの帳簿に市場価値を超えて計上されていました。」と、グレンビュー・トラスト会社(The Glenview Trust Company)のCIOでありバークシャー株主でもあるビル・ストーン(Bill Stone)は述べています。「バフェットは、特にブランド食品分野での競争が激化している中で、クラフト・ハインツに対して支払いすぎたことを長らく認識していました。」
バークシャーの現金保有高は3441億ドルで、記録的な高水準に近い状態を維持しています。同社は、2025年上半期において、11四半期連続で株式の純売却を行い、45億ドルの株式を売却しました。
バークシャーは2025年上半期および7月21日までに株式を一切買い戻さなかったにもかかわらず、株は大きな調整に見舞われました。エドワード・ジョーンズ(Edward Jones)のアナリスト、カイル・サンダース(Kyle Sanders)は、記録の中で次のように述べています。「エイベル氏が投資家との信頼を築くと考えていますが、BRKの短期的なカタリストは、投資活動の増加、大きな買収の可能性、及び自社株買いであると見ています。これらは今四半期には実現せず、残念に思います。」



