アメリカ合衆国の連邦住宅金融庁(Federal Housing Finance Agency、FHFA)のビル・プルテ(Bill Pulte)長官は、連邦準備制度理事会(Federal Reserve)でのリサ・クック(Lisa Cook)理事に対する辞任または解雇を求める考えを示しました。プルテ長官は、クック氏が二つの異なる不動産を同時に主な居住地として主張していることに対し、証拠があるとし「アメリカではそれはできない」と述べました。
この発言は、プルテ長官が司法省に対し、クック氏に対する犯罪捜査を要請する内容の書簡を送った後に行われたもので、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領も「今すぐ辞任しなければならない」と主張しています。プルテ長官は、クック氏が誤った銀行文書と不動産記録を偽造し、有利な融資条件を得ようとした可能性があると告発しました。
彼は特にミシガン州アナーバーとジョージア州アトランタの不動産に関して、居住地のステータスを偽造したと指摘し、融資条件が不正に設定された可能性があると述べています。プルテ氏は、金融機関の規制が適切に行われるべきであると強調し、連邦準備制度理事会のジャレッド・パウエル(Jerome Powell)議長がこの問題に対処する責任があるとも示唆しました。
ただし、連邦準備法(Federal Reserve Act)では、連邦準備制度の理事は大統領によってのみ解雇されることが明記されており、重大な不正行為が前提条件であると理解されています。最近のトランプ政権によるこのような発言は、政治的敵対者に対する不動産関連の不正行為の告発が増加していることを示しています。
プルテ氏は自身のソーシャルメディアでも積極的にこれらの主張を展開しており、連邦準備制度に対する圧力を強める活動を行っているようです。経済政策の決定が曖昧になる中、今回の事例は連邦準備制度内の権力闘争を浮き彫りにしています。今後の展開に注目が集まります。



