ブラジルの元大統領であるジャイール・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)は、2022年の選挙で敗北した後、権力を維持しようと企てたクーデターに関与したとして、2000年以降、ブラジルの最高裁判所で初めての元大統領として有罪判決を受けました。この判決は、彼が創設したポピュリスト的極右運動に対する重大な打撃となります。
ブラジル最高裁の5人の裁判官の過半数によるこの有罪判決は、ボルソナロが民主主義を攻撃したとして初めての前例を作りました。判決を下す前、裁判官のカルメン・ルシア(Carmen Lucia)は、「この刑事事件は、ブラジルの過去、現在、未来との出会いである」と述べ、これまでの歴史における民主主義の試みを抑圧しようとした事例に言及しました。
ボルソナロ元大統領は、武装犯罪組織への参加、暴力による民主主義の廃止の試み、クーデターの組織、政府財産及び保護文化資産への損害など、合計5つの罪で有罪判決を受けました。また、裁判官のひとりは無罪、もうひとりはまだ投票していません。この判決はボルソナロ個人だけでなく、彼の動きに連なる政治家たちにとっても重要な意味を持ちます。
一方、ボルソナロの強い支持者であるアメリカのドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、この裁判を「魔女狩り」と呼び、ブラジルに対して関税引き上げや制裁を科すなど反発を強めています。最高裁は、ボルソナロに対する刑罰を金曜日までに決定を下す見込みです。彼は現在、他の案件に関する家監禁中であり、最大で40年の懲役を科される可能性があります。
ボルソナロ元大統領の有罪判決は、彼が議会の裏方から権力の中心にまで這い上がった物語の最悪の瞬間を示しています。彼は1980年代に地方議員として政治キャリアを始め、ブラジル国会で著名な存在となり、権威主義的な政策を擁護しました。
彼の政権は、パンデミックやワクチンに対する懐疑論、非公式な採掘と土地開発を推進し、アマゾン熱帯雨林の伐採率を前年並に高めました。2022年の選挙では、再選の屈指の候補であったにもかかわらず、ルラ(Lula)の勝利に結びつく結果となりました。
ボルソナロの有罪判決とその持続可能性は、ブラジルの最高裁が採用した戦略が民主主義を保護するためにどれほど効果的であるかを試す力強い課題となります。
この判決が持つ歴史的な重要性は、ボルソナロと彼の運動だけでなく、ブラジルとその軍隊全体に変化をもたらす可能性を示唆しています。ブラジルが民主主義を守るために新たな試練を迎えています。



