インテル(Intel)のロゴが2024年6月4日、台湾・台北で開催されたComputex 2024の会場に見られました。
最近の報道によれば、インテルの競合である台湾半導体製造会社(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.)およびブロードコム(Broadcom)は、インテルを二つの部分に分割する可能性のある取引を検討しているとのことです。ブロードコムはインテルのチップ設計およびマーケティング部門を詳細に調査しており、製造部門とのパートナーシップを条件に、潜在的な入札を議論していると伝えられています。
一方、世界最大の受託半導体製造会社であるTSMCは、インテルのチップ工場の一部または全てを管理する可能性について調査を進めている模様です。これに関しては、投資家コンソーシアムなどの形態での参加が考えられています。なお、ブロードコムとTSMCは協力しておらず、現在進行中の対話はすべて初期的で非公式なものであるとされています。
インテルの暫定執行会長であるフランク・イアリー(Frank Yeary)は、可能性のある買収者やトランプ政権の関係者との協議を主導しており、この会社が国家安全保障にとって重要と見なされていることから、その行方に懸念が寄せられています。イアリー氏は、インテル株主にとっての価値最大化に注力していると報じられています。
また、ホワイトハウスの高官は、インテルの米国工場が外国の企業によって運営されることには支持しないかもしれないと述べています。トランプ政権は、外国企業が米国に投資し、建設することを支持しているものの、インテルの工場が外国企業に運営されるのは「ありそうにない」とのことです。
トランプのチームは、最近の会合でTSMCとの間で両社間の取引のアイデアを提起しており、これに対してTSMC側は好意的に受け止めたといいます。インテルは、以前のバイデン政権による重要な半導体製造の国内回帰推進政策の主な受益者の一つでした。米国商務省は11月にインテルに対して78.6億ドルの政府補助金を確定していると発表しています。
インテルは半導体の設計と製造の両方を行う数少ない企業の一つですが、TSMCはインテルの約8倍の市場評価を持っています。TSMCの顧客には、AIチップのリーダーであるエヌビディア(Nvidia)や、PCおよびサーバー市場でのインテルの激しい競争相手であるAMDが含まれています。
インテルの元CEOであるパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)は、主要な顧客に対してインテルの製造およびAI能力に対して高い期待を持たせましたが、その期待には応えられず、契約を失ったりキャンセルしたりする結果となりました。これにより、インテルの株価は昨年、約60%も下落し、資本集約型の製造強化策はキャッシュフローを圧迫し、最終的には約15%の人員削減に至りました。



