2025年2月15日、ドイツ・ミュンヘンで開催された第61回ミュンヘン安全保障会議(MSC)において、ヨーロッパの外務大臣たちは、ウクライナの将来の安全保障に関して大胆かつ団結した姿勢を取る必要があるとの認識を示しました。ドイツの外務大臣アナレナ・ベアボック(Annalena Baerbock)は、この瞬間がヨーロッパにとって重要であるとし、他国の「我が国第一主義」に対抗する形で「ヨーロッパ統一」を掲げることが必要だと強調しました。
イギリス外務大臣デイビッド・ラム(David Lammy)は、ウクライナの戦争が単なる国内問題ではなく、ヨーロッパ全体の最前線であると指摘し、ウクライナの未来の安全保障を巡る「存在的な問い」に応える必要があると述べました。ラム大臣は、ウクライナのNATO加盟が、ロシアからの将来の侵攻を抑止する最も容易でコスト効率の良い手段であると述べ、同意を得ました。
フランスの外務大臣ジャン=ノエル・バロ(Jean-Noël Barrot)もヨーロッパのリーダーシップに期待を寄せ、ロシアの侵攻に対する抵抗に成功したヨーロッパの力を評価しました。また、欧州連合(EU)加盟国は国防支出の増加が必要であると警鐘を鳴らしました。
しかし、その一方で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領がロシアのプーチン大統領との電話会談を行い、欧州連合が事前に相談を受けていなかったことに対して、ヨーロッパの当局者たちは戸惑いを感じています。トランプ氏がウクライナのNATO加盟を「非現実的な目標」と断じたことで、さらなる不安が広がりました。
ミュンヘン安全保障会議は、ウクライナの未来、ロシアとの平和交渉、そしてヨーロッパの防衛体制について議論するために、世界中の防衛・安全保障の専門家を集結させました。国際社会全体での安全保障の確保が求められる中、欧州連合のアーシュラ・フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)議長は、「正義と持続可能な平和」を実現することが、ヨーロッパだけでなくアメリカにとっても不可欠であると述べました。時が経つにつれ、ウクライナの安全保障問題でも欧州が関与することは避けられないとの見解が示されています。
最終的には、トランプ氏のアプローチは誤りであると認識される一方で、必要な場合にはヨーロッパもウクライナの平和交渉に加わることが重要であると、ポーランドの外務大臣ラドスワフ・シコルスキ(Radosław Sikorski)は述べました。ウクライナの未来についての国際的な協力が求められている中、各国の指導力と連携が今後の安全保障において重要な鍵となっています。



