エロン・マスクが率いるSpaceXは、再びその巨大なスターシップロケットの飛行許可を連邦航空局(FAA)から取得しました。この発表は金曜日に行われ、今後の無人テスト飛行に向けてスペースXが準備を進める中での重要な進展となります。
スターシップロケットは、1月の第7回テスト飛行中に破損し、タークス・カイコス諸島の上空に破片が降り注ぐ結果となり、何便かの商業フライトが迂回または遅延を余儀なくされました。この事故を受け、FAAはその後の調査が未完了にもかかわらず、スペースXに許可を与えました。FAAのスポークスマンによると、調査が進行中の企業に対しても許可を出した前例があるとのことです。
昨年、FAAはSpaceXに対し、2023年の2回の打ち上げに先立つ安全および手続きの違反に関して633,009ドルの罰金を科しました。また、テキサス州の水域を汚染したことにより、環境保護庁からも罰金を科せられています。これらの罰金に対し、マスクは「規制の越権」を理由にFAAを提訴すると脅しましたが、実際には訴訟を起こしてはいません。
世界一の富豪であるマスク氏は、ドナルド・トランプ前大統領の再選を支援するために約3億ドルを寄付した実績があり、現在の政権における重要人物となっています。マスクはテスラのCEOであり、ソーシャルメディア企業Xの所有者でもあり、連邦政府における効率の向上を目指す「政府効率化省(DOGE)」を率いています。この組織は、厳しい人員削減と予算削減を実施し、マスクのビジネスを監督する規制機関に焦点を当てています。
SPACEに関わる最新の取り組みにより、マスク氏とその部下は FAAのコンピュータシステムとデータへの前例のないアクセスを得ています。また、SpaceXはFAAの航空交通管制システムの改革に選ばれるなど、業界での影響力が高まっています。このことについて、カリフォルニア州のアダム・シフ上院議員およびイリノイ州のタミー・ダックワース上院議員は、FAAのアクティング管理者クリス・ロシロウに対し、利害の対立について懸念を示す書簡を送っています。
スターシップは、SpaceXの野望にとって非常に重要な存在であり、スーパーヘビー・ブースターに搭載されると、高さ403フィート、直径約30フィートに達します。SpaceXは2023年4月からこれまでにスターシップロケットシステムを7回の宇宙飛行テストで運用しています。最新の情報によれば、同社は3月3日月曜日に第8回スターシップテスト飛行を実施する予定です。



