米国ホワイトハウスで行われた閣議において、エロン・マスク(Elon Musk)が「テクサポート(Tech Support)」と書かれたシャツを着て発言しました。テスラ(Tesla)の株価は、2025年の3月初めに入り、2025年2月の終わりと同様に下落傾向を示しています。
CEOのエロン・マスクの政権における初月、テスラの株は28%急落し、これは2022年12月以来の最大の下落率となりました。3月の初取引日にはさらに3%の下落があり、企業の時価総額は約9150億ドルにまで圧迫されています。
この月曜日の株価の急落は、マスクの週末のSNS投稿が影響しており、彼は「テスラが5年で1000%の成長が可能である」と示唆しました。また、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は、米国の自動車業界においてテスラを最も推奨する企業としています。
テスラの2024年第4四半期の収益報告では、自動車の収益が前年同期比で8%減少し、営業利益は23%の減少を記録しました。これは主にモデル3、モデルY、モデルS、モデルXの平均販売価格の低下によるものです。さらに、カナダやメキシコからの輸入品に新たに導入される関税も不利に働く可能性があります。
この株価の下落はテスラ内部の動向だけではなく、マスクの政治活動や他の事業活動が影響を与えていると見られています。現在、マスクは「政府効率化省(Department of Government Efficiency)」を率いており、米国連邦政府の人員削減や歳出削減、規制緩和を進めています。
マスクはテスラの他にも、SpaceXや人工知能スタートアップのxAIを運営し、SNS企業のX(旧Twitter)も所有しています。透明性を重視すると語る一方で、彼の省の活動や計画については多くが秘匿されており、議会の承認なしに連邦政府のコンピュータシステムや機密データにアクセスを得ています。
最近では、彼がドイツの極右反移民政党AfDを支持する発言をしたことがヨーロッパのリーダーたちから選挙干渉の疑いをかけられるなど、国際的な政治にも関与しています。また、ウクライナのゼレンスキー大統領に対する誤った情報を拡散し、ロシアとの「永遠の戦争」を追求しているとも言われています。これらの発言は、マスクに対する反感を呼び起こし、欧州や米国での反テスラ感情が高まる要因となっています。
ロンドンでは、テスラ車を「スワスティカー(Swasticar)」と呼ぶ広告がバス停で話題となり、マスクがナチスの敬礼をする姿と共に紹介されています。また、フランスではテスラの車両が放火される事件も発生しました。テスラの新車登録台数は、2025年の1月から2月にかけて、フランスやスカンディナビアで急激な減少を示し、ドイツでは前年比60%減に達しました。
米国でも、コロラド州ロブランドのテスラ施設で1月29日から破壊行為が始まり、ニューヨークではデモに参加していた9人が逮捕された後に釈放される事態が発生しています。サイバートラックのオーナーたちは、彼らの鋭角なデザインに対する否定的な反応に悩まされており、また「テスラ・テイクダウン(Tesla Takedown)」という運動がテスラからの投資撤回を呼びかけ、著名人からの支持も集まっています。
仮にマスクがホワイトハウスの活動からテスラに焦点を戻しても、自動運転車やヒューマノイドロボットの未来を語るのみであり、他企業に遅れを取っています。中国や米国の競合他社はいくつかの商業ロボタクシーサービスを運営する一方、テスラはそれに追いついていません。マスクは最新の収益コールで、テキサス州オースティンで無人の完全自動運転サービスを6月から開始し、その後他の米国都市にも展開する意向を示しました。だが、アルファベットが所有するウェイモ(Waymo)は、サンフランシスコ、フェニックス、ロサンゼルスで週に20万回の走行を提供しており、テスラはその背後にいます。関係者のコメントは得られていません。



