マイクロソフトは、21年間にわたるスカイプ(Skype)の運営を2023年5月5日をもって終了すると発表しました。この発表は多くのユーザーにとって驚きであり、新たな移行先として無料のTeamsアプリを推奨しています。
スカイプは2000年代初頭に、電話会社に支払うことなく会話を楽しむ手段を提供したことで名を馳せましたが、モバイル時代においてはそこまでの復活を果たせませんでした。利用者の中には、様々なチャットや通話の選択肢がある中でスカイプを忘れてしまった人もいるかもしれません。
マイクロソフト365のコラボレーションアプリとプラットフォームのプレジデントであるジェフ・テーパー(Jeff Teper)は、スカイプから得た知見を元にTeamsを進化させ、多くの革新を迅速に提供できる体制を整えたと述べています。スカイプのアカウントを持っているユーザーは、その認証情報を用いてTeamsにログインでき、スカイプの連絡先やチャットも移行されるとのことです。また、スカイプのデータはエクスポート可能で、利用者はTeams内でのクレジットを引き続き使用できることが保証されています。
スカイプは、2003年にエストニアで設立され、「sky peer to peer」の略称から名付けられ、たちまち人気を博しました。2004年には登録ユーザーが1100万人を超え、2005年にはeBayが26億ドルで買収を発表した際には5400万人を超えるユーザーを抱えていました。この買収はeBayの成長戦略の一部として位置付けられ、特に高額商品における売買の促進を目指していました。
しかし、スカイプはその後、eBayのCEOの交代や経済危機と共に厳しい道を歩みました。結局、2011年にマイクロソフトによって85億ドルで買収されることになりました。アクティブユーザーは170万人を超えていたものの、スカイプは最終的に10億ユーザーには達成できませんでした。
最近では、Teamsのユーザー数が320万人を超え、スカイプは月間3600万人と報告されていますが、以前の繁栄と比較すると大幅に減少しています。マイクロソフトの現在のCEO、サティア・ナデラ(Satya Nadella)は、最新の収益報告でスカイプについて言及していません。テーパーは、今後の通信分野におけるモバイルとクラウドのシフトを重要な変化としており、スカイプの歴史を振り返る必要性を示唆しています。
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