フィリップス66(Phillips 66、PSX)は、エネルギー製造とロジスティクスを手掛ける企業で、ミッドストリーム、化学物質、精製、マーケティングおよびスペシャリティ(M&S)の4つのセグメントで事業を展開しています。ミッドストリームセグメントは、原油や精製された石油製品の輸送、ターミナル業務、処理サービス、さらに天然ガスや天然ガス液(NGL)の輸送、貯蔵、分離、集積、処理及びマーケティングサービスを提供しています。化学物質セグメントは、同社が50%の持分を持つシェブロン・フィリップス化学会社(Chevron Phillips Chemical Company LLC、CPChem)が世界規模で石化製品やプラスチックを製造・販売しています。精製事業は、アメリカとヨーロッパにある12の精製所で、原油や他の原料をガソリン、ディスティレート、航空燃料、および再生可能燃料などの石油製品に精製しています。マーケティングおよびスペシャリティセグメントは、再販用の精製石油製品や再生可能燃料を購入・販売しています。
フィリップス66の株式時価総額は528億ドル(1株128.04ドル)で、最近1年間の株価推移は注目に値します。
アクティビスト投資家であるエリオット・インベストメント・マネジメント(Elliott Investment Management)は、フィリップス66の約4.6%を保有しており、特にテクノロジー分野での戦略的アクティビズムに成功した背景を持つ企業です。彼らは企業が抱える問題に対して厳しい視点を持ち、長期にわたって企業を監視してきました。
エリオットは、フィリップス66の取締役会に「Streamline66」計画を提案しました。この計画は、同社の継続的な業績不振と不十分な企業ガバナンスを解決するためのもので、具体的には、ミッドストリーム事業の売却やCPChemへの持分の売却を通じたポートフォリオの簡素化、野心的な精製目標を設定し、同行業他社とのEBITDA-per-barrelギャップを埋めるためのオペレーション見直し、経営陣の監視強化を目的とした独立取締役の追加を提案しています。
現在、フィリップス66は、エリオットによると、競争力のある部分からのスムーズな取引が行えておらず、その結果、最も価値の低い精製セグメントの評価に基づいて取引されています。このセグメントは、既存の他の高価値事業からの大部分のEBITDAが得られるにもかかわらず、ビジネス全体の評価に影響を及ぼしています。エリオットの調査によれば、フィリップス66の今日の市場価格は本来、200ドル以上に達する可能性があると伝えています。さらに、エリオットは市場での影響力を高めるため、取締役の候補者を提案し、より大きな経営陣責任の確保を目指す意向を示しています。
このような状況の中で、フィリップス66が将来的にどのように変わっていくのか、そしてエリオットの提案したアクションプランが実行に移されるのかが注目されています。企業としての効果的なアプローチと透明性が求められる中、経営陣の責任を果たすことができるのかが焦点となります。



