不安定な市場環境の中、BTIGによれば、ヘルスケアセクターが注目を集める時期が来ているとのことです。ヘルスケア株は前年のS&P 500では最もパフォーマンスが悪かったグループの一つで、1%未満の上昇にとどまり、通信サービス株は39%の上昇を記録しました。しかし、関税の引き下げを背景に、投資家はますます不安定な市場とマクロ経済の中でヘルスケア株に流入しています。2025年に入ってからヘルスケア株は7%以上上昇し、S&P 500内で消費財株に次ぐ好調さを示しています。
この成長は、個別株のパフォーマンスによるものです。CVSは2025年に40%急騰しており、これは第4四半期の利益と売上の強さによるものです。バイオファーマ株のギリアド・サイエンシズは、同様に第4四半期の結果を受けて20%の上昇を見せています。BTIGのチーフマーケットテクニシャンであるジョナサン・クリンスキー氏は、ヘルスケア株のパフォーマンスが今後も続くと予想しています。 “ヘルスケアが2025年の最良セクターになるかどうかは判断が早すぎますが、今のところヘルスケアはS&P 500との比較において、過去数年の下降傾向を踏まえれば、やや守備的なグループとして位置付けられます。” とクリンスキー氏は月曜日の報告書で述べています。
彼は、ヘルスケアが2018年以来S&P 500をリードしていないと指摘し、その年は市場のボラティリティが高まる中で、ヘルスケアが5%の上昇を遂げた際にS&P 500は6%下落しました。クリンスキー氏は、今年のセクターをリードする可能性のあるヘルスケア株をいくつか挙げており、GEヘルスケアは1年間の広範な取引範囲で統合を進めている「プライマリー候補」と位置付けています。また、ギリアド・サイエンシズはさらなる上昇の余地があると考えています。
ウォールストリートでは最近、ヘルスケアを推奨するアナリストが増えており、バークレイズのアナリストであるアンドリュー・モク氏は、DeepSeekが引き起こしたNvidiaの売りがヘルスケアセクターの最大の恩恵を受けると述べています。 “典型的なポートフォリオにおいてヘルスケアが過小評価されていることが、このセクターへの注目を集める要因です。”と彼は書いています。昨年1月のNvidiaの売りはS&P 500内で主にヘルスケアや消費財といった防御志向のセクターに利益をもたらしたと述べています。
情報技術セクターは2025年に約3%の下落を記録しており、消費財株に次ぐ落ち込みです。同様に今月初め、アーク・インベストのキャシー・ウッド氏も2025年の最大の投資アイデアの一つとしてヘルスケアを挙げており、 “私たちの身体には37兆の細胞があり、それらをシーケンシングして治療法を探っていくでしょう。” と語っています。ウッド氏は、AIの最も過小評価されている応用はヘルスケアであり、データが今後のキーワードであると強調しています。



