世界最大のビールメーカーであるAB InBev(アメリカン・ビバレッジ・インターナショナル)の株価は、第二四半期の販売量が予想を下回ったため、木曜日に最大11%も急落しました。この四半期における販売量は前年同期比で1.9%減少し、アナリストが予測した0.3%の減少を大きく上回る結果となりました。需要の低下がこの結果を招いたと見られています。
株価は損失を軽減し、ロンドン時間午前10時27分(米東部時間午前5時27分)には9.1%の下落で推移していました。中国市場では販売量が7.4%減少し、同社は「業界を下回るパフォーマンスだった」と述べています。また、ブラジルでも高い前年同期比との比較と悪天候が影響し、第二四半期に6.5%の販売量減少を報告しています。
販売量が減少したにもかかわらず、四半期の営業利益は前年同期比で6.5%増加し、アナリストの予想を上回る5.7%の増加となりました。これは消費者がビールにより多くの資金を投じていることによるもので、第一四半期の高い利益の勢いが続いています。
同社の売上高はオーガニックベースで3%増加し、米国市場において販売が回復したことで150億ドルに達しました。AB InBevのCEOであるMichel Doukerisは、結果が「ビールカテゴリーの回復力」を示し、同社の「メガブランド」、特にStella Artois(ステラ・アルトワ)やCorona(コロナ)の持続的な成長を強調しました。
しかし、アナリストは、中国およびブラジルにおける販売量の不足が株価に影響を与える可能性が高いと指摘しています。水曜日の市場閉鎖時点で株価は年初から19%上昇していましたが、この販売量の不足はEBITDAの成長を覆い隠す可能性があります。
飲料セクターでは、米国の関税から相対的に恩恵を受けるビールメーカーと、原産地に依存するワインやスピリッツ生産者との間に乖離が生じています。ワインおよびスピリッツの生産者は、EUと米国の枠組み貿易協定に基づく関税の免除を期待しています。決定は数週間以内に発表される見込みです。
一方で、ビール業界は米国におけるアルミニウムに対する50%の関税に直面しており、これにより米国内で生産されるビール缶のコストが上昇することが見込まれています。AB InBevは、98%の缶が国内で生産されていると述べています。



