エアバス(Airbus)のCEO、ギヨーム・フォーリー(Guillaume Faury)氏は、エアバスが2025年に約820機の商用航空機を納入する予定であると発表しました。これはエンジン製造の遅れが続いているにもかかわらず、順調に進んでいるとのことです。
フォーリー氏は、エアバスがエンジンの納入を待ちながら”グライダー”、つまりエンジンなしの完成機を製造していることを明らかにしました。CFMインターナショナル(CFM International)およびプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)からのエンジン納入に関しても、両社は必要な量を供給できると伝えているため、年後半に向けて前向きな見通しを持っているとコメントしています。
2023年8月には61機を納入し、年初からの累計は434機に達しています。一方、アメリカの競合企業ボーイング(Boeing)は、8月に57機を納入し、2025年の累計は385機と、エアバスにおいて遅れをとっています。ボーイングは、今年の納入予想については未発表です。
航空機製造者は長年にわたりエンジンの生産遅れに直面しており、RTXは2023年にプラット・アンド・ホイットニーのエンジン製造欠陥が2027年までの数百のエンジンに影響を与えると発表しました。フォーリー氏は、エンジン納入の遅れは品質の問題や労働者のストライキによるものだと述べました。
しかし、フォーリー氏はエンジン製造の能力には期待を寄せており、必要な生産量を達成する能力が維持されることを願っていると語っています。エアバスは、年初からの納入目標を維持しており、関税によるビジネスへの影響にもかかわらず、その計画を堅持しています。現在の米国と欧州連合との貿易協定は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の”相互関税”から航空産業を免除しています。
フォーリー氏は、関税の軽減は”正しい方向に進んでいる”と考えているものの、グローバル経済に対する最大の懸念は不確実性であると述べました。”私たちは長期的なビジネスであり、可視性と予測可能性が必要です。これらの変化は予測できるものではなく、常に適応しなければならない状況が私たちの進捗を遅らせています。”と語っています。



