イギリスのブリッジウォーターにあるヒンクリー・ポイントCで建設中の二つの原子炉の一つを囲むクレーンが、2024年9月27日に確認されました。
米国の資産管理大手アポロ(Apollo)は、イギリスの核プロジェクトであるヒンクリー・ポイントに対して、45億ポンド(60億ドル)の融資を提供する計画です。これは、フィナンシャル・タイムズが最初に報じ、事態の敏感性により匿名を条件に複数の情報源が確認した内容です。
アポロは、プロジェクトのために、7%未満の金利で投資適格の無担保債務融資パッケージを提供します。アポロとヒンクリー・ポイントの主要所有者であるEDFは、コメントを控えています。
このアポロの取引は、イギリスの国家的利益に関わるプロジェクトに対する最大級のプライベートキャピタル投資の一つになるでしょう。ヒンクリー・ポイントCサイトでの二つの原子炉の建設は、何度も遅延し、予算も膨らんでいます。中国の国有企業である中国広核集団(CGN)は、2023年末にイギリス政府との緊張からヒンクリー・ポイントCの資金提供を停止し、政府は他のイギリスの核プロジェクト、サイズウェルのCGNの持ち分を引き継ぎました。この結果、EDFは一人でプロジェクトを完了させる必要があり、2024年初頭の見積もりでは、450億ポンドを超える請求が待ち受けています。最初の原子炉は2029年に稼働予定です。
CGNの参加は、イギリスの重要なインフラへの広範な中国の関与に対する懸念から、公共の注目を集めていました。ヨーロッパでは原子力プロジェクトは物議を醸していますが、現在のイギリス政府は国内でのさらなる原子力発電所の建設を承認することを約束しています。ヒンクリー・ポイントCが完成すれば、約600万世帯に電力を供給することが期待されています。
また、プライベート市場は、エネルギー、輸送、住宅、データセンターなど、今後10年間にわたる欧州のインフラプロジェクトのブームを利用する機会に注目しています。アポロ・グローバル・マネジメントの社長であるジム・ゼルター(Jim Zelter)は、今月初めに、今後10年間でドイツに1000億ドルを「地に置く」機会を見込んでいると発言しました。



