スコット・ベセント(Scott Bessent)、アメリカ合衆国財務長官は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に対し、財務長官のジェローム・パウエル(Jerome Powell)を解任しないよう強く訴えました。この件については、最新の『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道があり、経済、政治、法的な観点からの潜在的な影響があると警告しています。
ベセントは、パウエルの任期が来春まで残っている中で彼を解任することは、金融市場に対してマイナスの反応を引き起こし、中央銀行を未踏の法的および政治的領域に押しやることになるとトランプに伝えたとされています。また、ベセントは、FRB(連邦準備制度)が今年金利を引き下げる準備が整っているように見えるため、パウエルを解任する必要はないとの見解を示しました。
ベセントのトランプへの発言は、最近パウエルに対する公の批判を強めている他のトランプの主要な側近たちとは一線を画しています。パウエルは長らくトランプの標的であり、トランプ大統領は短期金利を引き下げないことに対して厳しく批判してきました。最近では、トランプ政権の高官たちが中央銀行の25億ドル規模の改修プロジェクトに焦点を当て、批判が高まっています。
ホワイトハウスの管理予算局(Office of Management and Budget)局長ラッセル・ボウト(Russell Vought)は、パウエルが「FRBをひどく管理を誤った」と非難し、その例として改修プロジェクトのコストオーバーランを挙げました。また、ボウトは改修プロジェクトに関する一連の質問をパウエルに投げかけ、今週パウエルがその回答を行いました。
パウエルは、「理事会は我々の決定に対して透明性を提供し、公衆に対して責任を持つことが極めて重要であると考えています」と述べています。もしパウエルが任期満了前に解任されることになれば、前例のない出来事となり、法的対立が生じる可能性が高く、最終的にはアメリカ合衆国最高裁判所で決着がつくことにもなりかねません。
ホワイトハウスまたは財務省は、『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道に関するコメントに即座に応じていません。



