ブルリッシュ(Bullish)のCEOであるトム・ファーリー(Tom Farley)およびチェアマンであるブレンダン・ブルーマー(Brendan Blumer)が、2025年8月13日にニューヨーク証券取引所での上場を祝う様子が報じられています。この上場は、特に同社の名称からも、注目度が高まっています。
ブルリッシュは、ピーター・ティール(Peter Thiel)からの支援を受けている暗号通貨取引所であり、株式公開初日にその株価が倍増し、最終的には84%の上昇を記録しました。この現象は、テクノロジーIPO市場が再び活発になってきたことを示しています。
最近のIPOでは、デザインソフトウェア企業のフィグマ(Figma)が上場初日で株価が三倍になり、また先月には暗号企業サークル(Circle)の株が168%上昇するなど、ウォールストリートは盛り上がりを見せています。3年前、インフレの急上昇と金利の上昇が公開市場を閉ざした時期から考えると、これは待望の復活です。
今年初め、スタブハブ(StubHub)やクラーナ(Klarna)が上場手続きに入ったものの、その後ドナルド・トランプ元大統領の新たな関税政策が市場を揺るがし、IPOのプロセスは無期限に保留されていました。しかし、最近ではその状況が改善され、NASDAQは4月以来40%以上上昇しています。
フィグマの上場前、NYSEのプレジデントであるリン・マーチン(Lynn Martin)は、フィグマのIPOに対する強い需要が「市場の大流入」を引き起こす可能性があると述べました。NASDAQのCEOであるアデナ・フリードマン(Adena Friedman)も、今年後半にIPOを予定している企業のリストが「非常に健全」であると報告しています。彼女は多くのCEOと会い、市場に公開する準備を進めています。
CB Insightsによると、アメリカ合衆国には100億ドル以上の価値を持つベンチャーキャピタル支援のテクノロジー企業が20社以上存在しています。スタブハブは近日中に上場の準備を進めている模様です。ベンチャーファームのファーストマーク(FirstMark)でパートナーを務めるリック・ハイツマン(Rick Heitzmann)は、「IPOの窓は開いている」と言い、業界全体のIPOに対する広範な支持を受けて、投資先企業に公開準備を奨励しています。
一方、規制環境についても関心が寄せられています。バイデン政権は、大規模な買収を取り締まる方針によりスタートアップ投資家から厳しい批判を受けています。新たにSECの責任者に就任したポール・アトキンズ(Paul Atkins)氏は、上場プロセスの複雑さや訴訟リスクに対する障害を取り除く方針を示していますが、具体的な提案についてはまだ不明確な状況です。
最近の市場において、ブルリッシュ、フィグマ、サークルが大きな利益を上げている一方、オンラインバンキングプロバイダーのチャイム(Chime)や取引アプリのeToroも印象的な成長を見せており、健康技術業界でも2件のIPOが行われました。フィグマの上場は、2020年と2021年のIPOブームを再燃させる引き金となり、ビル・ガーリー(Bill Gurley)のようなベンチャーキャピタリストは、IPOの初日での急上昇が企業にとって商業的に不利であると警鐘を鳴らしています。
企業が上場する際には、販売する株式の割合がわずかな場合でも(フィグマの場合は約7%)、良好な業績を達成できれば、「将来的により高い価格でさらに株式を売る機会があるだろう」との見方が示されています。サークルは、今週さらに1000万株の二次公開を予定している一方で、IPO市場の過熱についての警告も上がっています。テクノロジー市場は、歴史的に過熱する傾向があり、現在のような市場状況では、投資機関と熱狂的な小口投資家の間に著しいギャップがあると指摘されています。かつてのドットコムバブルと現在の市場を比較すると、今上場している企業には実質的な収益とファンダメンタルズがあり、持続可能性に対する懸念も残ります。更に、IGNITEでは『禁酒時代』と称して激しい投機的行動に警鐘を鳴らす声が上がっている点も、注意が必要です。



