スイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムの外で、ScaleAIのCEOアレクサンダー・ワン(Alexandr Wang)が、2025年1月23日にMetaへの移籍を発表しました。彼の退任が報じられる中、MetaはScaleAIに143億ドルの巨額投資を行い、その結果、49%の株式を取得することが確認されています。ただし、Metaは議決権を持たないと、ScaleAIの広報担当者が述べています。
ワンは、従業員へのメモで「このような規模の機会は、しばしば代償を伴う」と述べ、辞任の理由について言及しました。「あなたたちのCEOとしての役割を果たしたことは、私の人生で最高の喜びでした」と彼は記しています。
新しいCEOには、これまでChief Strategy Officerを務めていたジェイソン・ドロージ(Jason Droege)が昇進されることが発表されました。ドロージは以前、ベンチャー・パートナーとしてBenchmarkに所属し、またUberの副社長も務めていました。
ワンによれば、一部のScaleAIの従業員もこの合意に基づきMetaに参加することになっています。Metaの広報担当者も、この企業のScaleAIへの戦略的パートナーシップと投資が最終確定したことを確認しました。
Metaは、この連携を通じてAIモデルのデータ生成を強化し、アレクサンダー・ワンが同社のスーパーヒューマンシステムに関わることになると述べています。「この取り組みや、チームに加わる素晴らしい人々について、今後数週間で詳しい情報を共有する予定です」と広報担当者は続けました。
メタのCEOマーク・ザッカーバーグは、OpenAIやGoogle傘下のAlphabetとの厳しい競争の中で、AIへの取り組みを強化することを目指しています。2025年には人工知能を優先事項としており、特にMetaの最新バージョンのLlama AIモデルが開発者から冷ややかな反応を受けたことに対して、フラストレーションを抱えていると言われています。
ザッカーバーグは、従来長年の社員を高位のポジションに任命してきましたが、今回外部からの人材であるワンが、会社にとって重要とされるAI施策を監督する方が適していると考えたようです。
ScaleAIは、Google、Microsoft、OpenAIといったMetaの競争相手を顧客として持っており、MetaがScaleAIの最大の顧客のひとつとされています。ScaleAIの広報担当者によると、Metaの投資およびワンの採用は、このスタートアップの顧客に影響を与えないとのことです。また、MetaはScaleAIのビジネス情報やデータにもアクセスしないと強調しています。



