暗号資産業界において、Coinbase(コインベース)は、2023年6月のS&P 500におけるトップパフォーマーとして注目を集めています。この成長は、規制に関するポジティブな更新や新製品の発表、そして5月末にS&P 500の構成銘柄に選ばれたことが背景にあります。
コインベースは、ドル建ての安定したデジタル通貨であるUSDCを発行するCircle(サークル)との密接な関係からも恩恵を受けており、特にこの6月には44%もの株価上昇を記録しました。この急成長は、デイトレーダーにとって注目すべき出来事となっています。
米国での新たな規制フレームワークを提供するGENIUS法案の通過は、コインベースに対する市場の見通しを後押ししています。この法案は、安定したデジタル通貨の規制を明確にし、米財務省に広範な権限を与え、金融機関やフィンテック、リテールに新たな機会を提供します。
Citizensの金融テクノロジー研究の責任者であるデビン・ライアン氏は、コインベースがCircleから得ている収益モデルの重要性を指摘し、この企業の株価にはさらなる上昇の余地があると述べています。現在、コインベースはUSDCに関連する収益の100%を保持しており、これはCircleの現在の収益の99%に相当します。
さらに、コインベースはビットコインや他の暗号資産の取引だけでなく、カストディやステーキング、暗号ウォレットサービスなど多岐にわたるサービスを拡充しており、特にアメリカン・エキスプレスとの提携により初の暗号資産に基づくクレジットカードを導入しました。
しかし、取引ボリュームの低下が懸念材料として挙げられ、アナリストは今後の市場構造に関する規制の明確化が取引ボリュームを回復させるカギとなると考えています。今後の国会での規制の行方が、コインベース及び暗号資産業界全体にとって重要なポイントとなるでしょう。



