REXFORD INDUSTRIAL REALTY(REXR)は、自社で管理・運営を行うフルサービスの不動産投資信託(REIT)です。主にカリフォルニア州南部のインフィル市場において、工業用不動産の取得、運営、および管理を行っています。REXRは、産業用不動産の取得や管理、また工業ゾーンの不動産や工業開発に適したプロパティに対する住宅ローンの提供も行なっています。424の物件を所有し、約5,100万平方フィートの賃貸可能面積があります。現在、同社の市場価値は約94.7億ドル(1株あたり40.01ドル)に達しています。
最近、Elliott Investment Managementは、Rexford Industrial Realtyの株式を取得したことを発表しました。Elliottは、約761億ドルの資産を管理するマルチストラテジーの投資会社であり、投資先企業に対し長期的に影響を及ぼすことに定評があります。カリフォルニアに本社を置くREXRは、厳しい土地規制、ポートへの近接、人口密度の高さから、工業用不動産に対する需要が高まる環境にあります。
しかしながら、REIT(不動産投資信託)は通常、経営方針が不十分で、経営陣と株主の利害が食い違いがちです。REXRも例外ではなく、メリーランド州に登記されており、経営陣に有利な規制のため、株主による承認なしに取締役会を構成できる権限を持っています。このような状況下で、REXRの経営陣は過去10年以上にわたり、株式の約1%しか保有していないという状況で、負債を増やし続けてきます。
近年、REXRは、特に株価が一時期の80ドル(2021年12月)から40ドルに急落するなど、企業価値の低下に直面しています。それに対して、Elliottが介入することにより、企業のガバナンスの改善や資本配分の見直し、株主価値の創造に向けた施策が期待されます。Elliottの周到な戦略は、過去にも多くの企業で成功を収めており、REXRにおいても戦略的な結果を導く可能性があります。
REXRは、資産を適切に管理し、適宜買収候補として注目を集める要素を持っています。現在の20%のNAV(純資産価値)ディスカウントもあり、適正価格付けがなされることで、他社による買収の可能性も高まります。今回のElliottの動きが、REXR株主にとって価値ある変化につながることが期待されています。



