デザインソフトウェア企業のFigmaは、2024年5月9日にサンフランシスコで開催されたBloomberg Technology Summitにおいて、CEOのDylan Fieldが姿を見せました。Figmaは、ニューヨーク証券取引所においてFIGというティッカーシンボルで上場を目指してIPOを申請しました。
Figmaの成長率や高いプライベート市場の評価額から、今回のIPOは近年の注目される上場の一つとなることが期待されています。2023年末には、Adobeとの200億ドルの買収契約が英国の規制上の懸念により破談となり、AdobeはFigmaに対して10億ドルの解除料を支払っています。
Figmaの初四半期の売上高は前年同期比46%増の2億2820万ドルで、純利益は4490万ドルに達しています。一方で、Figmaは今回のIPOで何株を売り出すかについては明言していません。昨年の入札で125億ドルの評価を受けた同社は、4月にSECに対して非公開でIPOを申請したと報告しています。
ウォール街の銀行は、2021年後半からの上場活動の停滞を経て、ドナルド・トランプが米大統領選に勝利した後、多くの企業がIPOを計画していると予測しています。トランプ大統領が4月に発表した大規模な関税については市場が不安定になり、いくつかの企業が計画を延期する結果となりましたが、最近では活動が活発化しています。
例えば、ステーブルコインを発行するCircleは、6月のデビュー時に価値が倍増し、IPO価格からは6倍以上の上昇を見せています。オンラインバンキング企業のChimeも、5月のHinge HealthのIPOに続いて6月に上場しました。AIを活用したインフラ提供企業CoreWeaveは、3月に上場したのち、6月には46%上昇し、IPO以来4倍の価値になっています。
Figmaは2012年にDylan Fieldにより設立され、サンフランシスコに本社を置いています。2023年3月31日時点で、同社の従業員数は1646人に達しています。Dylan Fieldは、IPOを前に最も多くの株式を保有し、Class B株を5660万株、投票権の51.1%を持っています。
このIPOは、長引く経済の低迷から脱却したいシリコンバレーのベンチャー企業にとっても重要な勝利となるでしょう。Index Venturesは、上場前に17%の持分を保有している最大の外部株主であり、Greylockが16%、Kleiner Perkinsが14%、Sequoiaが8.7%を保有しています。
Morgan Stanley、Goldman Sachs、Allen & Co.、JPMorgan Chaseがこの取引をリードしています。



