玩具及ゲーム市場において著名な企業であるHasbro, Inc.(ハスブロ)は、最新の四半期決算において前向きな見通しを示しました。この会社は、中国製品への米国の関税がビジネスに与える影響を踏まえ、製造拠点を中国から移転させる方針を強調しています。
Hasbroの最高財務責任者であるGina Goetter(ジーナ・ゴッター)氏は、2025年のガイダンスにおいて、調整後EBITDAが11億ドルから11.5億ドルになると予測しており、2024年の10.6億ドルと比較して成長を見込んでいると述べました。これには、中国、メキシコ、カナダに対する米国の関税の影響が含まれており、サプライチェーンの強みを活用し、価格見直しなどの対応策を取る方針も表明しています。
競合他社のMattel(マテル)は、関税に応じてHot WheelsやBarbie(バービー)の価格を引き上げる可能性を示唆しています。ドナルド・トランプ大統領は、2月初旬に中国に10%の関税を課し、3月にはメキシコとカナダに対して25%の関税を追加する予定です。
Goetter氏によると、Hasbroは今後2年間で、米国で販売される玩具やゲームの中国からの調達割合を50%から40%未満に削減する計画です。また、Hasbroはカナダからの調達を行っておらず、メキシコからの輸入も「最小限」であるとのことです。中国の影響にフォーカスを当てていると彼女は言及しました。
CEOのChris Cocks(クリス・コックス)氏は、関税を考慮しても、業界全体のパフォーマンスは「平坦」になると見込んでおり、トレーディングカードやブロック玩具が成長の牽引役であるとしています。さらに、ライセンス事業が高い利益率を生み出す重要な要素であり、関税の影響をあまり受けないと強調しました。
加えて、HasbroはMattelとのライセンス提携を発表し、Play-Dohを使用したバービー人形を制作することになりました。Cocks氏は、Play-Dohバービーが子供たちに内なるファッションデザイナーを発揮させると説明しました。
Hasbroの株価は、発表後に約10%上昇しました。
以下は、Hasbroの四半期業績とウォール街の予測との比較です。
* 1株当たり利益: 調整後46セント vs. 期待34セント
* 売上高: 11億ドル vs. 期待10.3億ドル
2024年度の四半期売上は、2023年の同四半期から15%減少した1.29億ドルとなりました。2024年度全体の売上は41.4億ドルで、2023年の50億ドルから17%減少しました。この減少は、eOneの映画・テレビ事業を2023年12月にライオンズゲートに売却したことにも起因しています。
一方、デジタルおよびライセンスゲームの収入は、前年同期比で35%増加し、4四半期の収入は1億3200万ドルに達しました。2024年度全体では、デジタルおよびライセンスゲームの収入は22%増加し47億1700万ドルとなりました。モバイルゲームの「Monopoly Go!」は2024年度に1億1200万ドルの収入をもたらしました。
Hasbroは、2024年の第四四半期に2650万ドルの純損失を報告し、1株当たり25セントの損失でした。これは、2023年の同時期の10億6000万ドルの純損失、1株当たり7.64ドルの損失に比べて大幅な改善を示しています。再構築やeOneの売却に関わるコストを調整した結果、同社は四半期の1株当たり利益を46セントと報告し、ウォール街の予測を上回りました。



