インドの州営製油所は、今月初めからロシア産原油の購入を停止していると報じられています。これは、割引が狭まり、アメリカのドナルド・トランプ大統領が他国に対してモスクワからの石油購入を警告したことが影響しているようです。インドは世界で第三の原油輸入国であり、ロシアにとってはウクライナでの戦争の最中において重要な収入源となっています。
インドの州営製油所、インディアン・オイル・コーポレーション(Indian Oil Corp)、ヒンドスタン・ペトロリウム・コーポレーション(Hindustan Petroleum Corp)、バラート・ペトロリウム・コーポレーション(Bharat Petroleum Corp)、マンガロール製油所(Mangalore Refinery and Petrochemical Ltd)は、最近はロシア産原油の購入を行っていないと複数の情報源が伝えています。
これらの製油所は監視された取引を通じて通常ロシア産原油を購入しますが、現在は中東および西アフリカの石油に代替供給を求めている様子です。プライベートの製油所であるリライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries)やナヤラ・エナジー(Nayara Energy)は、ロシアのロスネフチを含む企業によって多数株保有されており、モスクワとの年間契約も結んでおり、インドにおいて最大のロシア産原油購入者となっています。
インドの製油所がロシア産原油から撤退している背景には、欧州連合(EU)の制裁が海外貿易や資金調達に影響を及ぼす可能性があるとの懸念があります。インド政府は「一方的な制裁」に反対の姿勢を示しています。
トランプ大統領は最近、インドからの輸入品に25%の関税を課すと発表しましたが、交渉が進行中であることも示唆しています。また、ロシアの武器や石油の購入に対して新たな制裁の可能性についても警告しています。
ロシアはインドにとって主要な供給源であり、インドの全体供給の約35%を占めています。2025年上半期には、プライベート製油所がインドのロシア産石油輸入の約60%を購入している一方で、州営製油所がインドの全体製油能力の60%以上を掌握しているとされています。リライアンスは今月、アブダビのムルバン原油を購入しており、これは製油所にとって異例の動きであるとトレーダーは述べています。



