インドの経済が、2025年3月末までの四半期に予想を上回る年率7.4%で成長したと、公式な発表がありました。これは、ロイターの調査による6.7%という予測を大きく上回る数字です。この成長率は、2025年度の中で最も強いものとなり、政府のデータによれば、2025年度通年でも6.5%の成長を実現しました。
アジアで三番目に大きな経済を持つインドは、強い国内消費によって比較的堅調な成長を維持しており、アメリカのドナルド・トランプ大統領の不安定な貿易政策の影響を軽減しています。トランプ大統領は、先月インドから輸入される商品に26%の「相互的」関税を課したものの、交渉のために90日間で10%に引き下げることを発表しました。2024年にはインドとアメリカとの間で約460億ドルの貿易黒字が生じているとの政府データもあります。
新デリーは、アメリカとの貿易協定を結ぶ次の候補として注目されています。トランプは、今月初めにインドが全てのアメリカ製品に対してゼロ関税を提案したと報じられています。
金融政策については、インド準備銀行(RBI)が成長を後押しするために金利を引き下げたことが挙げられます。RBIは先月、金利を6%に引き下げ、成長促進のために政策スタンスを拡張的に変更しました。また、6月にもさらなる金利引き下げが予想されています。キャピタル・エコノミクスの新興市場担当副チーフエコノミスト、シラン・シャー氏は、インフレの低下や成長のリスクを受けて、レポレートが次週に5.5%に下がると予測しています。
インドと隣国パキスタンの間には緊張が高まっており、危険な地域での軍事行動が行われたと報告されています。シャー氏は、カシミール地域の停戦は「脆弱で、再び緊張が高まる可能性がある」と述べ、これが投資や消費に悪影響を及ぼす懸念があると指摘しました。
とはいえ、インドの成長ストーリーは依然として堅調であり、農村部での消費者需要の改善が一助となっています。市場調査会社のニールセンIQのデータによると、2025年第1四半期の消費はインド経済の半分以上を占め、農村地域が全体の40%近くの消費財売上を占めています。
国際通貨基金(IMF)は、インドの経済が2025年に4.187兆ドルに達し、日本の4.186兆ドルを僅かに上回ると予測しています。これは、世界で四番目に大きな経済になる可能性を示唆しています。シャー氏は、「インドが日本やドイツを追い越すことは予想されており、2040年までにはインドの経済はドイツと日本を合わせた規模になるとも考えられる」と語っています。



