ワシントンD.C.にある内部収入庁(IRS)のビルで、2025年2月13日に発生した事件は、政府効率化局(Department of Government Efficiency、以下DOGE)に関連する一名のIRS職員が、納税者の機密情報が保存されているIRSシステムにアクセスしたことに関するものである。政府関係者によれば、この職員は統合データ取得システム(Integrated Data Retrieval System、IDRS)へのアクセスを許可されたという。
IDRSは、IRS職員が納税者のアカウントに瞬時に視覚的にアクセスできるシステムであり、アカウント情報の調査や返金要求、自動的な通知、収集文書などの生成が可能である。IRSのウェブサイトによると、IDRSユーザーは公式業務を達成するために必要なアカウントにのみアクセスすることが許可されている。
このIDRSにアクセスできる職員は、ドナルド・トランプ政権下で採用されており、DOGEに関連しているとのこと。この職員は「DOGEの任務」を遂行しており、「合法的かつ適切なセキュリティクリアランスを持って行動している」と公式は述べた。
ホワイトハウスの報道官ハリソン・フィールズ氏は、職員の機密システムへのアクセスについて問われた際、「廃棄、詐欺、そして乱用は私たちの壊れたシステムに深く根付いている。システムへの直接アクセスが必要であり、それによって問題を特定し修正することができる」と語った。さらに、フィールズ氏は「DOGEは、彼らが発見する詐欺に光を当て続けるだろう。アメリカ国民は、自分たちの苦労して稼いだ税金がどのように使われているかを知る権利がある」と付け加えた。
事件の報告は、最初にウォシントンポスト内で取り上げられ、DOGEの取り組みが連邦政府が保持する機密情報へのアクセスの拡大を示している。イーロン・マスクが先導するDOGEは、いくつかの政府機関および部門をターゲットにしており、管理側が浪費と見なす支出を削減する努力を行っている。また、DOGEは連邦職員の削減を目指している。
これに関連して、DOGEの過去の活動として、米国財務省の支払いシステムへのアクセスも報告されており、その中には社会保障番号やその他の機密情報が保存されている。さらに、国土安全保障省のクリスティ・ノーム長官は、ドナルド・トランプ大統領がマスクにFEMAの災害データへのアクセスを許可したと話している。DOGEはまた、消費者金融保護局および米国国際開発庁に狙いを定めている。



