Keurig Dr Pepper(キューリグ・ドクター・ペッパー)は、オランダのコーヒーおよび紅茶ブランドであるJDE Peet’s(JDEピーツ)を約180億ドルで買収することを発表しました。この取引は、同社の苦境にあるコーヒービジネスの支援につながる可能性があります。
この取引では、Keurig Dr PepperがJDE Peet’sの株主に対し、1株あたり31.85ユーロ(約37.3ドル)を現金で支払うこととなります。この金額は、JDE Peet’sの過去90日間の出来高加重平均株価に対して33%のプレミアムを示しており、総額で157億ユーロ(約184億ドル)のエクイティ購入に相当します。契約の成立前には、JDE Peet’sは1株あたり0.36ユーロの既に宣言された配当を支払う予定です。
この買収により、今後3年間で4億ドルのコストシナジーを生み出すことが期待されています。JDE Peet’sの株価は、ロンドン時間の午前8時30分時点で17.18%上昇したことが報告されています。
Keurig Dr Pepperは、Dr Pepper(ドクター・ペッパー)、7Up(セブンアップ)、Snapple(スナップル)、そしてGreen Mountain Coffee(グリーンマウンテン・コーヒー)などのブランドを所有していますが、アメリカのコーヒー部門は、単独のコーヒーポッドやKeurigコーヒーメーカーの出荷減少により、第二四半期には売上が900百万ドル(前年比で0.2%減少)となっています。
Keurig Dr Pepperは、家庭でコーヒーを楽しむ消費者にアピールすることを目指し、またStarbucks(スターバックス)やDunkin(ダンキンドーナツ)を意識した冷たいコーヒーの商品展開を進めています。
JDE Peet’sの買収後、Keurig Dr Pepperは飲料部門とコーヒー部門を分割し、可能な限り早く2つの異なるアメリカ上場企業にする予定です。このステップは、2018年にKeurigとDr Pepper Snappleとの合併を解消するものであり、当時、北米で3番目に大きな飲料会社として約110億ドルの年商を上げていました。
分割後、コーヒー会社は年間売上互算で160億ドルとなる見込みで、現在のKeurig Dr Pepperの最高財務責任者であるSudhanshu Priyadarshi(スダンシュ・プリヤダルシ)が率いることが期待されています。一方、飲料部門は年間売上で110億ドルに達し、分割後は現職のKeurig Dr Pepper CEO、Tim Cofer(ティム・コーファー)が指揮を執る予定です。
JDE Peet’sのCEOであるRafael Oliveira(ラファエル・オリヴェイラ)は、買収が完了するまでオランダのコーヒー会社の舵取りを続けることになります。



