今年のラテンアメリカ株式市場は非常に好調です。iShares Latin America 40 ETF(ILF)は2025年の前半だけで25%以上の上昇を見せており、S&P 500の5%の成長を大きく上回っています。ブラジル、メキシコ、チリ、ペルー、コロンビアといった国別の指数やETFも、特に良好なパフォーマンスを示しています。例えば、ブラジルのBovespaは15%、EWZ ETFは27%の上昇を記録しています。また、メキシコのS&P/BMV IPC指数は14%、EWW ETFは29%の増加を示しており、チリも同様に、S&P/CLX IPSAは22%、ECH ETFは25%の成長を遂げています。
これらの成長は、貿易摩擦が世界経済の見通しを不安定にしている中でのラテンアメリカの堅実さを示しています。これに加え、多くの市場が歴史的な割引で取引されており、企業の利益成長の期待が高まっています。Itau Unibanco(イタウ・ウニバンコ)のチーフエコノミスト、マリオ・メスキータによると、「過去10-15年でラテンアメリカ経済はやや地味になった」とのことです。
彼の言葉を借りれば、ラテンアメリカは「為替レートを浮動的に採用して準備金を蓄えたことで、これがバッファとなる」とのことです。世界経済が停滞してもラテンアメリカが危機に陥ることはもはやなくなりました。具体的には、世界銀行のデータによれば、ブラジルの準備金は2010年から2024年の間に約10%から3190億ドルに増加しました。コロンビアでは119%も増加し、ほぼ620億ドルに達しました。
このような状況は、アメリカが保護主義的な関税政策を導入し、グローバルインフレを高める脅威がある中で重要な役割を果たしています。例えば、アメリカは4月2日に他国からの輸入品に対して高い関税を発表し、主要な貿易相手国は報復措置を取りました。「南アメリカは、中国経済への依存が高いため、貿易戦争の影響は間接的です」とメスキータ氏は述べています。しかし、ラテンアメリカの株式市場は、依然として安価な評価と強い利益成長の見込みによって支えられています。
例えば、ブラジルのBovespa指数は、将来の利益に対して約8.4倍で取引されており、歴史的な平均値の10.7倍を大きく下回っています。また、メキシコのS&P/BMVは14.2倍の平均を下回る13倍で、チリ、ペルー、コロンビア、アルゼンチンに関しても同様に歴史的な平均に対して割引で取引されています。加えて、2025年のドル安はラテンアメリカの市場にとって追い風となっています。ドル指数は年初来で10.6%下落しており、これによりラテンアメリカの国々がドル建ての債務を資金調達しやすくなっています。
このような状況下で、投資家にとっては上記で触れたETFを通じた投資が最も簡単な方法です。各ファンドの手数料は以下の通りです:EWZは0.59%、EWWは0.50%、ECHは0.60%、EPUは0.59%、COLOは0.62%です。また、メルカドリブレなど、アメリカで取引されている個別株も検討の余地があります。
全体的に、ラテンアメリカに対する見通しは非常に良好であり、今後12ヶ月でチリ、ペルー、コロンビア、メキシコ、ブラジルの金利が引き下げられる確率は非常に高いと言えます。これは企業の利益を促進するために非常に重要です。ブラジルを含む地域では、企業の利益が約15%成長する可能性があり、評価が1桁の水準で推移していることが特徴です。



