2023年6月21日、ワシントンDCにて、米国連邦準備制度理事会(Federal Reserve、以下FRB)の理事であり、ジョー・バイデン大統領の理事候補であるリサ・クック(Lisa Cook)が上院銀行委員会の公聴会に出席しました。
リサ・クックFRB理事は、トランプ政権の最新の申し立てに対し、米国控訴法院に不服を申し立てており、これは中央銀行の金利決定に向けた重要な局面において彼女の職務からの解任を防ぐための動きです。クックの弁護士は、トランプ政権が彼女を解任するための十分な理由を示していないと主張し、無理由での解任がもたらす経済へのリスクについて警鐘を鳴らしています。
彼女の弁護側は、解任が行われれば、FRBの独立性が損なわれ、その後、他の理事に対する解任が同様の根拠のない理由で行われることを懸念しています。このような事態が起これば、国家経済に対して重大な影響を及ぼしかねないと強調されています。
また、トランプ政権は、上級審がクックの申立てに対する回答を求めている状況にあり、彼女に対する解任が実現するかどうかが問われています。背景には、FRBの金利決定会合(次回は火水曜日)の前に、理事会のメンバー構成を形作ろうとする特異な試みがあります。
トランプ氏は、クックが2021年7月に二つの物件を“主たる居住地”として申告したことを根拠に、彼女を住宅ローン詐欺で非難しています。しかし、クックはこの告発を否定し、解任を阻止するために訴訟を起こしています。
また、先週、米国地方裁判所のジャ・コブ判事は、FRBの理事は「正当な理由」がない限り解雇できないと rulingしました。この解釈により、クックの以前の行動は彼女が理事会に加入する前に発生しているため、彼女の解任を正当化する理由にはならないと判断されました。
今後、もしトランプ政権の控訴が成功すれば、クックはFRBの理事会から解任され、来週の重要な金利決定会議に出席できなくなる可能性があります。現在、FRBはトランプ氏からの金利引き下げへの圧力を受けており、2024年以降の金利を安定させていますが、次回の会議では0.25ポイントの金利引き下げが見込まれています。
FRBが金利を引き下げる際は、通常、住宅ローンや自動車ローン、ビジネスローンの借入コストを低下させることが期待されており、すでに金利の低下が期待される中で発生しています。日々の金融市場に関心を持つ日本の投資家にとって、今後の動向に注目が集まる重要な局面となっています。



