アジア太平洋地域の市場は、投資家が日本のGDPや中国の経済データの動向を評価する中で上昇しました。
中国経済は7月に失速しており、国内需要の低迷が続き、北京政府は過剰生産能力の抑制に力を入れています。国家統計局によると、7月の小売売上高は前年同月比で3.7%増にとどまり、Reutersの調査では4.6%の成長が予想されていたため、大きく下回りました。また、工業生産も前年同月比で5.7%の増加を記録しましたが、これは昨年11月以来の最低水準であり、予測の5.9%を下回りました。固定資産投資は年初から1.6%増加しましたが、これは2.7%の成長を見込まれていたのに対し、期待を下回る結果となりました。特に不動産投資は、政府のデータによると、初めの7ヶ月で12%減少しています。
一方、日本の経済は2025年第2四半期に0.3%の成長を記録し、アメリカの関税政策の影響を受けつつも、市場の期待を上回る結果となりました。これは、第1四半期の修正後の0.1%の成長と比較しても改善が見られますが、前年同期比では1.2%の成長となり、第1四半期の1.8%成長を下回っています。この成長は、7月23日にアメリカとの貿易協定を結んだことに関連しており、輸出に対する15%の共通関税が導入されています。
アジア太平洋株式市場は金曜日に高く開きました。日本のNikkei 225は0.67%上昇し、より広範なTopix指数は0.99%の増加を見せました。オーストラリアでもS&P/ASX 200が0.12%の上昇を記録しましたが、韓国市場は祝日のために休場でした。市場の先物取引は、オーストラリアのS&P/ASX 200が微減で始まる一方で、日本のNikkei 225は堅調な動きを示すなど、地域によって異なった動向が見られる見込みです。
また、S&P 500は水曜日に0.03%の上昇を記録し、3日連続の最高値Closeを達成しました。投資家は引き続き市場のボラティリティに警戒し、UBSからのアドバイスとして、株式市場への投資を行いつつも、リスクヘッジを考慮することが推奨されています。UBSは、経済データの悪化や地政学的リスクの増大などの要因で市場の変動が急に増加する可能性があると述べており、ポートフォリオの多様化が重要であるとされています。
このように、アジア太平洋地域の市場動向は、国内外の経済指標や政策の影響を受けており、投資家は慎重に動向を見極めていく必要があります。



