5月の市場の回復に伴い、一部の株式、特に半導体の大手企業が影響を受ける可能性があります。S&P 500は、6%以上の上昇を記録し、2023年末以来の最大の月間上昇を遂げ、年初からほぼ変わらずで取引を終了しました。ナスダック総合指数は9.6%上昇し、ダウは約4%上昇しました。この上昇は、米中貿易戦争が緩和され、米国と英国の間の貿易協定が希望をもたらしたことによるものです。6月に入るにあたり、投資家は日々の関税関連のニュースに振り回されており、両国間の貿易関係の進展を待ち望んでいます。
LSEGのデータを用いた14日間の相対力指数(RSI)を基に、ウォール街で最も過大評価された株と過小評価された株をビジョンし、相場の動向を分析しました。RSIが70を超えると過大評価されている可能性があり、短期的な下落が予想されます。一方、RSIが30未満の株は過小評価されており、短期的な反発が見込まれます。最も過大評価された銘柄はジョンソン・コントロールズ(Johnson Controls)で、RSIは86.9でした。同社は商業用HVACシステムを製造・設置しており、今月20.8%上昇し、年初からは28%以上上昇しています。ジョンソン・コントロールズは、5月初めに発表された第2四半期の利益および収益がアナリストの予想を上回ったと報じられています。
また、半導体メーカーのブロードコム(Broadcom)は、RSIが79.3で過大評価の位置にあります。ブロードコムは、6月11日に発表予定の第2四半期の収益を控えて26%上昇しています。LSEGのアナリストによると、目標株価は現在の取引価格の約1%下で設定されており、株価が高すぎる可能性を示唆しています。
他にも過大評価と見なされる株式にはGE航空宇宙(GE Aerospace)とインテュイット(Intuit)が含まれます。これらの株はそれぞれ22%および20%上昇しています。一方で、ユナイテッドヘルス(UnitedHealth)は現在RSI約20で深刻な過小評価と見なされています。今月さらに26.6%下落し、4月には21.4%の下落を記録しました。クーパー・カンパニー(Cooper Companies)とコパート(Copart)の株も過小評価されており、RSIはそれぞれ24.5および20.9です。クーパー・カンパニーは今月16.4%下落し、今年の損失が約26%に達しました。これは、第二四半期の収益と利益が期待を上回る一方で、通年の有機成長予想を下方修正したことに起因しています。



