米国の労働統計局(Bureau of Labor Statistics、BLS)元局長エリカ・マクエンタファー(Erika McEntarfer)の解任について、ドナルド・トランプ(Donald Trump)元大統領は彼女の所属機関が発表した雇用報告が「操作された」と主張しています。この主張は、トランプ氏が政治的に不利な影響を受けることを避けるための言い訳と見られていますが、具体的な証拠は提示されていません。トランプ氏は、バイデン政権の最終年にBLSが発表した雇用数が「偽の強い数字」として改訂されたと述べています。
2024年の大統領選挙の直前に発表された雇用報告の数字は、トランプ氏が述べたようには「凄まじいもの」ではなく、実際には予想を大きく下回るものでした。この2024年の雇用報告の大幅な改訂は、選挙後に行われたのではなく、選挙の2ヶ月以上前に発表されたことが真実です。具体的には、2024年8月にBLSが発表した報告書で、前年の新規雇用が81万8千件少なかったことが判明しています。このデータは、州の失業保険税記録を基に調整されるものであり、トランプ氏はこの情報を利用して政府の数字が「水増しされた」と批判していました。
また、2024年10月の雇用成長は著しく鈍化しており、選挙日の少し前の最終雇用報告では、わずか12,000件の雇用が追加されたことが示されました。これは、ほぼ4年ぶりの最小の成長であり、多くの専門家の期待を大きく下回るものでした。トランプ氏はこの報告を政治的に利用し、当時の副大統領カマラ・ハリス(Kamala Harris)を批判するための材料としました。
トランプ氏の解任決定を受けて、特に雇用データの政治化が懸念されており、経済政策の評価に不可欠な役割を果たすこれらのデータの信用が損なわれる恐れがあるとの指摘もあります。専門家たちは、仮にBLSの局長がデータを操作したいと考えたとしても、そのデータ収集と分析の過程の透明性により、それは不可能であると述べています。トランプ氏は、マクエンタファーの後任を近日中に発表する意向であることを明らかにしています。



