アメリカ合衆国の国土安全保障省(Department of Homeland Security、DHS)は、移民取り締まりの現場事務所への議会議員の訪問に対する新たな制限を設けました。この措置は、民主党の議員がアクセスを拒否されたり、逮捕されたりする事例が相次いだことを受けてのものです。
新たに示されたガイドラインによると、移民・関税執行局(Immigration and Customs Enforcement、ICE)は、議会議員がICE移送センターを訪問する際の拒否またはキャンセルの権限を独占的に持つとされています。議会の上院議員や下院議員は、行政機関を監視し、その予算を管理する役割を担っています。
連邦法では、DHSは議会議員が「外国人を拘留または居住させる施設」に入ることを妨げることはできず、議員は訪問の事前通知をする必要はありません。しかし、DHSは、議員のスタッフには訪問前に24時間前の通知を求めることができます。
新しいガイドラインは、この法律がICEの現場事務所には適用されないと述べており、移民はしばしばICEの現場事務所で拘留され、その後ICEの施設に移送されます。現在ICEは、議会議員に対して訪問の72時間前の通知を求めています。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、移民を追放するという公約を掲げ、1月にホワイトハウスに復帰しました。彼は不法滞在者や亡命を求める者を含む、数百万人の移民の追放を目指しています。さらに、トランプ大統領は、親パレスチナの見解を持つ国際学生の追放も試みています。
新ガイドラインによると、議会議員はICE拘留センターへの訪問に際し通知を行う必要はありませんが、ICEには「要請を拒否する、または訪問やツアーをキャンセル、再スケジュール、終了する単独かつ再審査不可能な裁量権がある」と述べられています。ICEは法律を遵守し、議会議員を「可能な限り配慮するよう努力する」としています。
トランプの移民政策に反対する一部の民主党政治家は、数州の移民拘留センターの外でICEの職員との間に激しい対立を経験しています。
今月、トランプ政権は、ニュージャージー州の民主党議員ラモニカ・マクアイバー(LaMonica McIver)に対して、移民拘留センターのゲートでのトラブルに関して起訴したと発表しました。また、ICEは最近、ニュージャージー州ニューアーク市の市長ラス・バラカ(Ras Baraka)やニューヨーク市の監査役ブラッド・ランダー(Brad Lander)をICEの施設で逮捕しています。



