2025年8月27日、ドイツ・ウンターリュッスで新たに開設されたラインメタル(Rheinmetall)の砲弾工場が、ヨーロッパ最大の弾薬生産施設へと成長することが期待されています。これは、ロシアの生産量に追いつくための地域の取り組みの一環として位置づけられています。
ラインメタルのCEO、アルミン・パッペルガー(Armin Papperger)氏は、ロシアが年間400万から500万の砲弾を生産する能力を持っているのに対し、ヨーロッパの生産量は年間約200万にとどまっていると述べました。そのうち、ラインメタルはその過半数を占めています。特に、ヨーロッパの「最大のニーズは砲弾とミサイル」であり、新工場はこれら2つのアイテムに焦点を当てると強調しました。工場の生産量は2027年までに年間35万発の砲弾に達する見込みです。
ドイツは、ウクライナのロシア侵攻に対する軍事支援を行いながら、アメリカの長期的な支援計画についての不確実性に直面しています。また、ドイツ政府は防衛費の倍増を約束しており、2029年までに1,530億ユーロ(約1,780億ドル)に増額する方針です。ドイツにおいては、フランス、イタリア、イギリスの政府よりも財政的余地があると指摘するアナリストもいます。
パッペルガー氏は、今年の第4四半期から2026年の第1四半期にかけて新たな契約が入ることを期待しており、政府からの前払い金により新たな投資を可能にしていると述べました。開設式でNATO事務総長のマーク・ルッテ(Mark Rutte)氏は、この工場がわずか14か月で設立されたことに「驚くべき」と評価しました。
ルッテ氏は、ロシアと中国が「驚異的な速度」で武器と重装備を製造していることを指摘し、今後は「戦車や防空システム、ミサイルなど、より複雑な能力の生産の増加に向けた同様の努力が必要」と語りました。これらの取り組みは、ヨーロッパと北アメリカにおける経済と社会の繁栄と安全を確保するために不可欠だと強調されました。



