アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領は、日本や韓国を含む14の貿易相手国に対して25%から40%の新たな関税を発表しました。この新政策が適用されるのは、2025年8月1日からとなります。トランプ大統領は、マレーシア、カザフスタン、南アフリカ、ラオス、ミャンマー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、チュニジア、インドネシア、バングラデシュ、セルビア、カンボジア、タイなどの国々の指導者に手紙を送り、各国からアメリカへの輸出品に関する詳細が記されました。
この発表後のアジア太平洋市場では、日本の代表的な株価指数である日経225が0.3%上昇し、韓国のコスピ指数も1.8%の上昇を見せました。ヨーロッパ市場は穏やかな反応を示し、取引がほぼ横ばいの状態で推移しました。トランプ大統領の発表に対する市場の反応は、4月の「相互関税」発表時の激しい株価の変動とは大きく異なり、指標先物も全体的に上昇傾向を示しています。
トランプ大統領は、「8月1日の締切は厳しくはあるが、100%厳格ではない」と語り、政策に対するより柔軟な姿勢を示しました。これにより市場はトランプ大統領が関税の実施に関して柔軟に対応する可能性を期待しています。
AJ Bellの投資アナリスト、ダン・コーツワースは「TACO(Trump Always Chickens Out)」トレードと言われる新たな期待感が市場で生まれていると述べています。この展開コストは、特定の重要な貿易相手国、例えばEU、インド、台湾が手紙を受け取らなかったことから、合意に近づいている可能性も示唆しています。SMART ECONOMICSによると、関税が施行されると、アメリカの輸入に対する実質的な関税率は15.5%から17.3%に上昇する見込みです。
一方、EUではEU-アメリカ貿易協定が締結される期待から、株価への影響が抑えられている可能性があります。EUの外交官によると、EUは今週中にトランプ大統領からの手紙を受け取り、ホワイトハウスとの包括的な合意を確保するための時間が与えられるかもしれません。全体として、市場は現在の関税率(約15%)に近づくことを予想しており、国別の関税が低下し、一部のセクターに対して新たな関税が課せられる可能性があると見ています。
ロンドンのBRI Wealth Managementのトニ・ミードワーズは、従来の取引が7月の締切前には成立しないとの見方から、投資家があまり楽観的に考えない方が良いとも指摘しています。政策に関するトランプ大統領の不安定さを市場は受け入れているものの、経済への実際の影響を測るにはまだ早すぎるともコメントしています。



