米国の半導体メーカーNvidia(エヌビディア)において、自動車部門の収益が最新の四半期で記録的な高水準に達し、前年同期比で倍増したとの報告があります。この成長は、ドライバー支援ソフトウェアに対する強い需要によるもので、AIを駆動するチップシステムが主な収益源であるNvidiaですが、ドライバー支援技術を支える製品が次の「10億ドルビジネス」になる可能性があると予測しています。
2025会計年度の第4四半期における自動車およびロボティクスセグメントの収益は、570百万ドルとなり、前年同期比で103%の成長を記録しました。これにより、このセグメントの年間収益は16.9億ドルに達し、2年連続で10億ドルを超えました。NvidiaのCFOによると、この収益の増加は「自動運転プラットフォーム」の販売によるものです。
カウンターポイントリサーチの半導体アナリスト、Brady Wang氏は、「この成長は、NvidiaがそのDRIVEプラットフォームと関連技術を通じてADAS(先進運転支援システム)、自律走行車、ロボティクスの推進にますます関与していることを示しています」と述べています。また、NvidiaのCEOであるJensen Huang氏は、同社の決算発表で、現在道路を走行している10億台の車両は「全てロボティックカー」になり、Nvidiaが支援するAIシステムによってデータが集められ、精練されると予測しています。
Deepwater Asset ManagementのマネージングパートナーであるGene Munster氏は、「自動車およびロボティクスは、WaymoやTeslaなどの自律走行車への投資によって、「飛躍的に成長する準備が整っています」と述べています。Munster氏は、約15社がヒューマノイドロボットを開発しており、これによりNvidiaのチップへの需要が高まる可能性があるとも推測しています。
彼は、「このセグメントのパフォーマンスはあまり注目されていない重要なストーリーですが、将来的には収益の大きな部分を占める可能性があります」と強調しました。自動車およびロボティクスユニットは現在、Nvidiaの総収益の1.45%を占めています。カウンターポイントのWang氏は、NvidiaによるL2+およびより高度なシステムの採用が進むことで、この成長が続くと見込んでいます。
さらに、中国の電気自動車メーカーであるBYD、Nio、Zeekrなどは、Nvidiaのドライバー支援チップシステムを使用しています。「自律走行に加えて、ロボティクスと物理的AIも今後数年間で熱狂を迎え、実用化が進むことを予想しています」とWang氏は付け加え、これによりこの分野の長期的な成長が持続するとしています。



