サイバーセキュリティのプロバイダーであるPalo Alto Networks(パロアルトネットワークス)は、アイデンティティ管理ソフトウェアメーカーCyberArk(サイバーアーク)を200億ドル以上で買収する交渉を行っていると、The Wall Street Journalが報じたことで、CyberArkの株価は火曜日に最大18%上昇しました。
クラウドセキュリティは、特に人工知能の急速な進化が新たな脅威を生じさせ、ランサムウェア攻撃が一般的になっている中で、企業のテクノロジースタックにおいてますます重要な部分となっています。2005年に設立されたPalo Alto Networksは、近年サイバーセキュリティ業界の統合者として台頭し、時価総額1300億ドル以上で業界最大手となっています。CEOのNikesh Arora(ニケシュ・アローラ)は2018年に就任し、積極的な買収活動を展開しており、最近ではProtect AIを7月に取り込み、2023年にはTalon Cyber Security、Dig Security、Zycada Networksを購入しています。
ただし、CyberArkの買収はアローラにとってこれまでで最大の賭けとなります。2014年に上場したイスラエル企業であるCyberArkは、従業員のアプリケーションへのログインを簡素化する技術を提供しています。CyberArkはMicrosoft(マイクロソフト)、Okta(オクタ)、IBM(アイビーエム)のHashiCorp(ハシコープ)と競合しており、他のライバルであるSailPoint(セイルポイント)は2月に再上場を果たしました。
火曜日の株価の上昇により、CyberArkの株は過去最高値を記録し、2月の旧最高値を上回りました。今年の株価は29%上昇し、同社の時価総額は約210億ドルに達しました。今年の初めには52%の上昇を遂げています。一方、Palo Alto Networksの株は報道を受けて3.5%下落しましたが、年初来では約9%の上昇を示しています。
Palo Alto NetworksとCyberArkの代表者はコメントを控えています。
第一四半期には、CyberArkは318百万ドルの収益に対して約1150万ドルの純利益を上げ、前年から43%増加しました。
サイバー市場では大規模な取引が相次いでおり、Google(グーグル)は3月にWizを320億ドルで買収すると発表しました。この取引は、AIセキュリティ技術を強化し、クラウドビジネスを強化することを目的としています。また、ネットワーキング大手であるCisco(シスコ)は2023年にSplunkを280億ドルで買収し、セキュリティ分野の最大の取引を実現しました。Splunkは、企業がデータを監視・分析し、ハッキングリスクを最小限に抑え、技術的な問題を迅速に解決するのを支援する技術を提供しています。



