JP Morganのグローバルテクノロジー部門において応用研究とエンジニアリングを担当していたMarco Pistoia氏が、量子コンピューティングを専門とする企業IonQに参加することが伝えられています。Pistoia氏は、2020年から2023年までJP Morgan Chaseの内部研究グループの責任者を務めており、量子コンピュータの次世代ハードウェア、アルゴリズム、セキュリティを導入するサポートを企業クライアントに提供する役割を担うことになります。
JP Morganは資産ベースで米国最大の銀行であり、最近同銀行の研究グループのリーダーシップを一新しました。このグループは量子コンピュータやその他の先端技術に取り組んでおり、量子コンピュータは従来のコンピュータに対して飛躍的な進歩をもたらす可能性があります。大手テクノロジー企業や小規模上場企業を含む多くの企業が量子コンピュータの商業化を急いでいます。
IonQは純粋な量子企業の中で大きな存在の一つとされ、同社やRigetti Computing、D-Waveといった競合企業の株価は、急成長するこの分野への期待により昨年急上昇しました。
新たにIonQでシニアバイスプレジデントとして業界関係を担当するPistoia氏は、CEOのNiccolo de Masi氏に直接報告し、企業が量子コンピュータと量子安全な暗号化を採用するのを支援することに注力する意向を示しています。彼によれば、量子コンピュータが暗号技術に大きなリスクをもたらす可能性があるため、世界中が量子安全な暗号技術に移行する必要があると考えています。
商業利用可能な量子コンピュータの登場が迫っているとPistoia氏は述べており、実用的な量子コンピュータの実現まであと2、3年であると信じています。彼はJP Morganをはじめとする金融機関との量子プロジェクトにおいての継続的な協力を希望していると述べています。JP Morganはこの件に関してコメントを控えています。



