ポルシェ(Porsche)のCEO、オリバー・ブルーム(Oliver Blume)氏は、現在のマクロ経済や地政学的な課題が売上と利益に著しい影響を及ぼしていると述べ、今後の進展について悲観的な見方を示しました。ポルシェは、2023年上半期の営業利益が67%減少し、10億ユーロ(約1.17兆円)となり、売上高も6.7%減の182億ユーロ(約21.3兆円)となりました。これらの数字は、市場の予想を若干上回ったものの、依然として厳しい経済環境に直面していることを示しています。
一方、欧州最大の金融機関であるHSBCは、第二四半期の利益が前年同期比29%減少し、予想を下回ったことを報告しました。この結果を受けて、HSBCは30億ドルの自社株買いを発表しました。第二四半期の税引前利益は63億ドル(約8,800億円)で、収益は165億ドル(約2.3兆円)でした。人件費や技術投資の増加が要因となり、運営経費は前年同期比で10%増加しました。
高級ブランドのエルメス(Hermès)は、第二四半期の売上が前年比9%増の39.1億ユーロ(約4.51億ドル)に達し、アナリストの予想に一致したと発表しました。全地域で成長が見られ、エルメスのビジネスモデルの強さが反映されていると、会長のアクスル・デュマ(Axel Dumas)氏は述べました。
また、ケリング(Kering)は、予想を下回る15%の売上減を報告しました。グッチ(Gucci)の売上も25%減少し、ケリング全体の収益に大きな影響を及ぼしています。CEOのフランソワ=アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)氏は、過去2年間の努力が今後の成長の基礎を築いていると信じているとコメントしました。
ドイツの化学大手BASFは、米国の関税の間接的な影響が需要と利益率に圧力をかけていると報告しました。第二四半期の売上は158億ユーロ(約18.2億ドル)で、前年同期比2%の減少となりました。
ロレアル(L’Oréal)は、第二四半期の売上が予想を下回り、2.4%の増加にとどまりました。同社は、EUと米国の貿易協定が高額になる恐れがあると警告しています。
シーメンス・ヘルスケア(Siemens Healthineers)は、前年同期比7.6%の成長を達成し、57億ユーロ(約6.6億ドル)の収益を報告しました。
サンタンデール(Santander)は、第二四半期において記録的なネット利益34億ユーロ(約3.9億ドル)を達成し、期待を上回りました。
市場全体では、新たな決算発表を消化しつつ、ヨーロッパの株式市場が安定してオープンする見通しです。特にHSBC、シーメンス、ロレアル、ケリングなどが注目されています。



