金融技術スタートアップのRampは、従業員と初期投資家がキャッシュアウトできる新たな契約を結び、同社の評価額が130億ドルに達しました。
ニューヨークに本社を置くRampは、月曜日に1億5000万ドルの取引を発表しました。このラウンドでは、Khosla Ventures、Thrive Capital、General Catalystなどの投資家が出資しています。この資金調達は、2022年におけるRampのピーク評価額81億ドルからの大幅な上昇を示しており、2023年に評価額が58億ドル近くに下がったことからの回復も意味しています。この価値の回復は、高金利の時代においても成長を続けるスタートアップへの投資者の関心が再び高まっていることを示しています。
この取引は、従業員が株式を現金化し、早期の上場を回避する企業の動きの一部でもあります。先週、Stripeは915億ドルの評価額に達する株式買取を発表し、95億ドルに近い評価額への回復に寄与しました。共同創業者兼社長のJohn Collisonは、近い将来のIPO計画はないと述べています。
RampはAIを活用した金融ソフトウェア会社で、クレジットカードを発行し、経費や会計を自動化します。Brex、American Express、Concurなどと競合しており、CEOのEric Glymanによれば、多くの顧客が経費削減を目指しており、この流れは2022年と2023年の企業向けの厳しい環境でますます重要になっています。
Glymanは「私たちのコアバリュープロポジションは、企業が少ないリソースでより多くを達成し、支出を削減する手助けをすることです。これはもはや優れた手段ではなく、存続のための決定的な要因となりました」と述べています。
Rampはアメリカ国内で30,000社以上の企業にサービスを提供しており、Anduril、Barry’s、Poshmarkなどを顧客に含んでいます。Glymanは、今後は企業向けの拡大に注力していく方針です。
Glymanによれば、同社はAIを利用して多くの技術を自動化しており、年間550億ドル以上の購入額を記録しています。2023年1月には100億ドルだった取引額が急増しました。Rampは、クレジットカードの取引手数料や高マージンのソフトウェアサブスクリプションから収益を上げています。
IPOについてのGlymanの見解は、明確なタイムラインは存在しないものの、常に考慮しているとのことです。昨年の平均で毎月200万ドル未満の資金を消費しており、新たな資本調達の必要性が低下しています。「資本注入を必要とする通常の状況ようなものは見られないでしょう。しかし、長期的な成功を目指す企業は、上場を追求することが多いです」とGlymanは語っています。



