アメリカの南カロライナ州が、プランド・ペアレントフッド(Planned Parenthood)へ資金を提供しない努力において勝利を収めたことは、今回の最高裁判所の判決によるものです。判決は、個々のメディケイド(Medicaid)患者が医療提供者を選ぶ権利を強制するために訴訟を提起することはできないと明言しました。これは、保守派の判事が過半数を占める6対3の判断であり、財源を巡る論争が再燃することが予想されます。
この裁決は、ニール・ゴーサッチ判事が著したもので、州がプランド・ペアレントフッドへのメディケイド資金を停止するための努力を後押ししています。メディケイドプログラムは低所得者向けの連邦プログラムですが、個々の患者が希望する医療提供者を選ぶ権利を行使できないという判断を示しました。
中絶に対する連邦政府からの資金提供は既に禁止されていますが、これまで保守派はプランド・ペアレントフッドをターゲットにしてきました。彼らは、たとえそれが他の医療関連サービスのための資金であっても、プランド・ペアレントフッドへ流れる資金が中絶権を支える広範な目的を果たすと主張しています。
最高裁判所のこの判断は、2022年に「ロー対ウェイド(Roe v. Wade)」の判決を覆した後に出されたもので、南カロライナ州では現在、妊娠6週目までの中絶禁止法が施行されています。そのため州内で中絶は非常にまれとなっています。
プランド・ペアレントフッドは、チャールストンとコロンビアに拠点を置き、新法に従った中絶ケアと、避妊、がん検診、妊娠検査などの他の健康管理サービスを提供しています。2018年、ヘンリー・マクマスター知事は、南大西洋のプランド・ペアレントフッドの地方組織にメディケイドを通じて家族計画サービスを提供することを禁じる大統領令を発しました。
その後、メディケイドを利用できる患者であるジュリー・エドワーズ氏が、プランド・ペアレントフッドの訴訟に参加し、連邦公民権法に基づいて自らの権利を法廷で行使できると主張しました。この訴訟は長期にわたって続き、最終的には最高裁の判断に持ち込まれました。



