米国のカフェチェーンであるStarbucks(スターバックス)は、中国での全営業の売却を現在検討していないと明言しました。これは、中国の金融誌であるCaixin(財新)が、出所を明らかにせずに報じた内容に対するもので、同社の広報担当者が確認したものです。
Caixinによれば、スターバックスは12社以上の潜在的な買い手との予備的な話し合いを行ったとのことですが、具体的な売却対象については明示されていません。スターバックスは、ゴールドマン・サックスの助言を受けながら、中国事業の売却プロセスを5月に開始し、関心のあるバイヤーに対しては、先週末までに回答を求めていました。これには、企業文化や経営スタイル、持続可能性への取り組みなどが含まれています。
市場では、スターバックスが支配権を持つか、少数株を売却するのか、あるいはサプライチェーンなどの一部の運営を維持するのかについては、まだ決定されていないとのことです。また、Starbucksは売却プロセスの詳細についてはさらなるコメントを控えています。
2023年に、スターバックスは上海近郊の昆山に15億元(約20.9億ドル)を投資した「コーヒーイノベーションパーク」を開設しました。80,000平方メートルの規模を誇るこの焙煎工場は、中国全土のスターバックス店舗に供給を行う能力を持っています。複数のプライベートエクイティファームを含む20以上の機関がスターバックスに応答したと報じられています。
競争が激化する中で、スターバックスは近年、中国市場において急成長する安価な競合、Luckin(ラッキン)やCotti(コッティ)にシェアを奪われてきました。Euromonitor Internationalのデータによると、スターバックスの中国における市場シェアは2019年の34%から2024年には14%にまで減少しています。大手Eコマース企業が食料配達や「即時小売」ビジネスを促進するために消費者への補助金を提供していることが、さらなる価格圧力を生んでいるとされています。
今月初め、スターバックスは中国で初めての価格引き下げを発表し、いくつかのコーヒー以外のアイスドリンクを平均5元引き下げました。これらの動きは、コーヒー一杯の価格が通常30元(約4.20ドル)から下がる中、消費者が手軽に5元以下で配達を受けられる環境を構築しています。



