株式市場が5月において強いパフォーマンスを示したことは、ウォール街がドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の関税計画を気にしないことにした兆しかもしれませんが、今後の貿易に影響を与える要因は依然として残っています。まず、グローバルな貿易は未だ新しい均衡を見出していないようです。アポロ・グローバル・マネジメント(Apollo Global Management)のチーフエコノミストであるトーステン・スロック(Torsten Slok)氏が共有したグラフによれば、中国から米国へのコンテナ船の出発数は再び減少傾向にあり、5月末時点では前年同時期のほぼ半分にまで落ち込んでいます。
スロック氏は、「最近の裁判所の判決と逆転は、企業が今すぐ輸入を行うべきか待つべきかの決定を容易にしていません」と言及しました。さらに、トランプ大統領が金曜日に中国が今月初めに合意した貿易協定を「違反した」と非難したことを考慮すると、次の輸入注文を出すことに躊躇する企業の気持ちも理解できます。また、インフレの問題も依然として不透明な状況です。金曜日に発表された個人消費支出指数のデータは予想よりわずかに低かったものの、その数字は4月までのものでした。ステートストリート(State Street)のマクロ・マルチアセットストラテジストであるケイラ・セダー(Cayla Seder)氏は、同社のデータにより、家庭用品や電子機器の価格に最近上昇が見られることを明らかにしました。この影響で、テクノロジーハードウェアや小売業などの株にさらなる圧力がかかる可能性があり、これらの企業はすでに市場全体に比べて低調です。
一方で、テクノロジー関連の強い部分と比較して、小売業者の問題は影響が小さいとリトルツ・ウェルス・マネジメント(Ritholtz Wealth Management)のCEOであるジョシュ・ブラウン(Josh Brown)氏が金曜日の報告で述べています。しかし、ほとんどの貿易ルートが常に変動し法的に不確実な状況下で操業している中、夏は現在の強気相場にとってさらなる困難をもたらすかもしれません。



