テスラのロボタクシー運用開始に向けた反対運動が、2025年6月12日にテキサス州オースティンで行われました。エロン・マスク氏がオースティンでのテスラの試験的ロボタクシーサービスを6月22日に開始する意向を示す中、公共の安全を訴える団体や政治的な抗議者たちが集結しました。彼らは、マスク氏のトランプ政権との関わりに懸念を示し、テスラの部分的自動運転システムには安全性に関する問題があると主張しています。
テスラは、米国市場で標準のオートパイロットパッケージとプレミアムのフルセルフドライビング(FSD)、およびFSD監視を選択肢として提供しています。これらのシステムには、自動車線維持、操縦、駐車機能が含まれていますが、全米高速道路交通安全局(NHTSA)のデータによると、これらの機能が起因する数十件の衝突事故が発生しており、その中には致命的な事故も含まれています。
マスク氏が先週、Xプラットフォームで発表したテスラのロボタクシーは、人気モデルYの新バージョンであり、テスラのFSDソフトウェアの将来バージョンを搭載する予定ですが、未だ一般向けにリリースされてはいません。
反テスラ派の団体ダウンプロジェクトは、技術安全性とセキュリティ教育を行う企業を自負しており、比較的新しいFSDソフトウェア(バージョン2025.14.9)を搭載したモデルYを持参し、オースティンの住民にその性能を示しました。彼らは、FSDが作動している状態で、停止信号を掲げたスクールバスをすり抜け、車両の前に置かれた子供サイズのマネキンを轢く様子を実演しました。
ダウンプロジェクトのCEOダン・オダウド氏は、フォードやトヨタを含むテスラの競合企業に技術を提供するグリーンヒルズソフトウェアも運営しています。デモに参加したステファニー・ゴメスさんは、マスク氏の政府での役割に疑念を抱いており、テスラの安全基準に対して不信感を抱いていると述べました。また、テスラのロボタクシーの運用についての透明性が欠けているとも強調しました。
別の抗議者シルビア・レベリスさんは、マスク氏の政治活動には反対であるものの、安全が最も重要な懸念であると語りました。「市民は安全テストの結果を得ることができていません。マスク氏は法律を超越していると考えているようです」と述べました。
テスラからの公式なコメントは、現在のところ得られていません。



